【カスミside Ⅱ】

ああ、やっぱりそうか。


―― 何て、少しだけ落胆した


確かに、今の状況に私は何の不満もない。


でも、やっぱり少しだけ寂しい。


どうしようもないジレンマに、私は思わず苦笑した。


いい加減、話さないとダメね。


「私の名前はカスミよ。……レージ、あなたは記憶喪失なの」


あ、この顔は疑ってる。

私のこと信用してないわね。


仕方ないなぁ~……


「ねえ、月曜日のこと覚えてる?」


彼は「当たり前だろう」そう言うや否や、硬まってしまった。


顔を真っ青にして


身を硬くして


ただ震えるレージを、私はそっと優しく包み込む。


「レージ、いいよ。無理に思い出そうとしなくても良いんだよ」


子守唄を口ずさむようにそっと囁くと、レージの身体がビクンと一度、跳ね上がった。


「……あっ……」


視線がさ迷う。


私はレージを呼び戻すように、啄むようなキスを贈る。

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