概要
「別れよう。」そう告げると、俺の男は、すまなかった、と、低い声で言った
「別れよう。」
そう告げると、俺の男はしばらくの無言の間の後、すまなかった、と、低い声で言った。
なにが、と、問いつめたかった。いきなり別れを切り出したのは、もっと言えば彼にまとわりついて交際を迫ったのも、この家に転がり込んでなし崩しで同棲に持ち込んだもの、全部俺のしたことなのに。
それなのに、俺の男は俯いて、火のついていない煙草をくわえたまま、じっとうなだれている。芯から俺に申し訳ないと思っているのだろう。彼は、そういう男だった。
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