砂塵
なー
砂塵
何か悩み事ができて、心が変わっていく瞬間に、胸の奥がモヤモヤして、静かな風が吹く。
そのとき初めて、過去の何かが散らばってざわつくことを知った。
初めて話した君は、遠くから思っていたイメージとはまるで違っていた。
その何気ない気さくな微笑みに、気づけば勝手に惹かれていた。
まさか、そんな感情が生まれるなんて思わなかった。
心が晴れて、悩み事のない日だったからこそ。
砂塵だけが舞っていて、この気持ちは何だろうとモヤモヤしていたけれど、ようやく風が止んだ。
あの瞬間だけの錯覚じゃなくて、何度も君が好きだと確かめた。
胸の砂塵が落ち着くまで、しばらく自分の中で待っていた。
今、目の前にいる君となら、恋が本当に始まりそうだ。
いろんな先入観で、その人のことを知らないまま誰もが思い込んで決めつけてしまう。
君がどんな人なのか、僕にも少しずつ分かってきて、イメージは変わり始めていた。
もっと君を知りたいと思ったきっかけは、恋をしていたからだったのか。
そのことに気づいたのは、ずっと後になってからだった。
はっきりと見えてきた。
自分の気持ちが――今までの曖昧な蜃気楼じゃなくて、未来の向こう側にあるものだって。
愛しさを伝えるには、まだ少し早いのかもしれない。
もう少し切なさが溢れたら、君のいる方へ歩いていきたい。
心の嵐は過ぎ、風も止んで、空はいつもの青さを取り戻した。
そして僕は、君のことをずっと思い続ける。
一瞬の愛じゃなく、時間の砂が積もって確かな愛になっていく。
きっと、君への思いと砂塵はもう舞い上がらない。
あの地平線まで見渡せるくらい、心が晴れている。
今、この瞬間。
砂塵 なー @nanako46
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