スピードスターの 合コンリベンジ推理
孟子蘭
第1話 出撃の理由、あるいは男の純情
光明寺豪が今回の合コンの話を受けたのには、理由がある。
反松から「今週末どう?」と連絡が来たのが木曜の夜だった。豪はその時点で、週末の予定が完全に空白であることを把握していた。冷蔵庫にはもやしと卵と、賞味期限が二日前に切れた豆腐があった。
理由は、以上である。
【光明寺豪・内心/刑事モード、しかし今回は最初から若干やる気が低い】
整理しよう。週末、予定、なし。冷蔵庫、もやし、卵、豆腐(期限切れ)。合コン、あり、飯、つき。……行く理由しかない。
(英雄的決断である)
ただし、問題がひとつあった。反松から追加情報として「相手の女子のひとり、みなみちゃんの友達らしいよ」という一文が届いていたのだ。
みなみ。あのランチクロスの夜。豪の足元への熱い視線が「脚フェチ疑惑」として記録された、あの夜だ。
【光明寺豪・内心】
……最悪の場合、情報が、先行している可能性がある。しかし考えてみれば、俺はあの夜、ランチクロスを見ていただけだ。無実だ。無実の罪で怯える必要はない。それに——飯が、かかっている。
豪は「行く」と返信した。
※この判断を「勇気」と呼ぶか「食欲」と呼ぶかは、読者の良識に委ねる。
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