「───私の人生、本当にこれでいいのかな」
誰もが思うときがあるこの言葉。主人公である『花』も落ち込んでいた。
ただ、頭の中の独り言をかき消してくれるような、誰かの声が欲しかった。音楽でも、退屈な朗読でも、なんでもよかった。
小さな防災ラジオでAM放送の音を探すが、深夜にやっている番組はない。諦めかけたとき、
「……フニャァ」
猫の声が聞こえた。
この猫の決まり文句は、「あーダルい」と「知らんがな」
偶然か必然か、とにかく繋がった猫との不思議な物語が始まる。
花の周りの空気があたたかく動き出す。仕事仲間との関係や地域の人たちとの交流が広がっていく。そして、1人の怪異との出会いがさらに運命を好転させていく。
このお話に出てくる人たちはみんな優しくあたたかい。妖怪達も人間社会のルールに振り回され真面目に悩んでいる、その姿にクスッと笑ってしまう。
1話1話に、ジーンと胸が熱くなったり今の日本社会なら妖怪はこうなるよなと納得してしまったりの場面も盛り込まれている。
花が生長していく姿を本気で応援したくなる。妖怪さんドンマイ! と声を掛けたくなる。まだまだ謎多き猫との関係も気になる。この楽しさをみんなに伝えたい。本気でそう思えるお話なんです。
読み終わった後に、なんとも言えないあたたかな気持ちになりたい人にも是非読んでほしいです。
お薦めします。