16ヶ月もの記憶を突然失い、時計とカレンダーの数字に打ちのめされる冒頭から、一気に引き込まれる物語です。積み重なっていく喪失の痛みと、両親の不自然な態度、そして差出人不明の謎めいた手紙——ひとつひとつの謎が丁寧に積み上げられていて、読み進めるほど「僕は誰なのか」という根源的な問いに胸を締めつけられます。記憶や自己をめぐるミステリアスな物語が好きな方、心に迫る心理描写を味わいたい方におすすめの一作です。