昭和五十六年の進学校を舞台に、青春のまぶしさと事件の不穏さが鮮やかに交差する学園ミステリーです。
喫茶店で流れる当時のヒット曲、インベーダーゲーム、共通一次試験など、昭和の空気を感じさせる描写が丁寧で、物語の世界へ自然と引き込まれました。
夏目、島崎、芥川、それぞれの進路や家庭環境、恋愛事情までしっかり描かれているため、登場人物たちが生き生きとしているのも魅力的です。とくに、母親を思いながら将来を考える島崎と、家庭教師の冴子への真っすぐな気持ちが印象に残りました。
そんな青春の日々を揺るがす、学年一の秀才の転落死。そして、思いもよらない殺人事件と逮捕の知らせ。散りばめられた謎がどのようにつながるのか、続きが気になって仕方ありません。
昭和の雰囲気が好きな方にも、人間模様をじっくり楽しめるミステリーを探している方にもおすすめしたい作品です!