アリアの一人称が、この作品のエンジン。悪態、舌打ち、損得勘定、そして意地とか、そういうものが一人称の地の文にぎっしり詰まっています。読んでいる間ずっと彼女の体温がすぐそこにあるような錯覚にもなるのですが、こういう小説でよく感じるうるささはない。おそらく綿密に練られたアリアの魅力、賢さやどうしようもない人の良さ、人間としてのあり方が、丁寧に重ねて描かれているからだと感じます。ガロードも面白い。ありがちなただの無口キャラじゃない。アリアのツッコミが冴えてるところは笑いました。
「今日よりもちょっとだけマシな明日のために」というコピーが、読み終えてじんわりと沁みてきます。