金木犀の香りや色とりどりの鉱石に包まれた世界が美しく、読みながら何度も、その場の景色を頭の中で思い浮かべていました。
登場人物たちのやり取りは賑やかで、見ていて自然と笑ってしまいます。ただ、明るく振る舞っているからこそ、その裏に隠しているものが見えたときは、思った以上に重く響きました。
傷も罪も秘密もある。それでも一緒に暮らし、互いを家族として扱おうとする姿が好きです。読み進めるうちに、登場人物だけでなく、彼らが集まる館にも帰る場所のような愛着が湧いてきました。
綺麗なだけではなく、優しいだけでもない。その少し残酷なところまで含めて、金木犀の香りと一緒に記憶へ残りそうです。