心象3:ガオーと鳴くのはライオン
今日は保育園のみんなで鬼ごっこをする。
捕まったらオリに入ってタッチされるまで出られなくなる。
タッチされたら鬼が交代する鬼ごっこでも良かったけど、はたき合いになっちゃったことがあってきんしになった。
「今から鬼を決めます。くじを用意したので赤色の棒を引いた3人が鬼です」
「「「はーい」」」
順番にくじを引いて違ったら逃げる。
鬼じゃなくて喜んだ人もいたし鬼じゃなくて怒った人もいる。
みんな鬼のスータト地点から離れたところにいるけど誰が鬼になるかなって見てる。
ひょこひょこお顔が見えるからモグラさんみたい。
じゃあ鬼ごっこじゃなくてモグラたたきだ。
「赤色だ〜!」
「柚ちゃんが鬼だね。それじゃあちょっと待っててね」
「やだ〜。逃げたい〜」
「次の鬼ごっこでは逃げる側だから大丈夫よ。だから今回は鬼をやりましょうね」
「うぅ〜」
柚ちゃんは鬼をするのが嫌いみたい。
鬼になってみんなを捕まえるの楽しいのに。
私も鬼なれたらいいな。
なれるかな。
後ろを振り返って確かめてみるともう何人もいなかった。
なのに鬼になる赤色はまだ柚ちゃんしか引いてないから私も鬼になるチャンスがある。
あ、それと私と柚ちゃんが鬼になったら薊ちゃんも鬼にならないと楽しくないよね。
うんうん。
「希ちゃんも早く引いてください」
「はーい」
鬼が出ますよーに!
「赤色だから鬼です」
「やったー!!柚ちゃん一緒に鬼だよ!」
「よかった。一人だと心細かった」
「ぼくも鬼だよ」
やっぱり薊ちゃんも鬼だった。
これで仲良し3人組は全員鬼になった。
鬼っ娘3人組だ。
鬼っ娘になったからには鬼のパンツを履かないとだからズボンを脱いで。
「な、何やっているの希ちゃん!」
「いきなり脱ぎださないでよ」
「だって鬼ってハダカにパンツだぞ」
「今まで鬼ごっこでハダカにパンツになった人いなかったでしょ」
「⋯そうだった」
「ちょっとしっかりしてよ〜」
鬼ごっこの鬼はハダカにパンツにならない。
あの鬼さん怖かったから怖いものは駄目なのかな。
「てゆうかぼく、走るの苦手」
「私も得意じゃない」
「大丈夫!私が全員捕まえるから二人はオリを守ってて。鬼のオリ」
「そうだねぇ。鬼のオリ」
「夕ご飯にしよう」
3人続いて鬼を引いちゃったからもう鬼はなくなって、先生は左手で持ったハズレのくじを戻した。
十秒数えたら鬼が追いかけていいからそれまでみんな逃げる。
「じゅう、きゅう、はち、なな」
「ろくご、よんさん」
「にーい、いーち」
「「「ぜろ!!」」」
仲良し3人組だから息ピッタシ。
十秒数えるのだって私たちなら先生に数えてもらわなくたって平気だ。
先生も偉いねって言ってくれるし教えてくれたお母さんにありがとうってお礼すると笑顔になってくれる。
それがとっても嬉しい。
「まてー!」
「にげろー!!」
「マテ−」
「うわっ何だその声!」
「タッチ」
秘技、面白い声。
動物は相手を怖がらせる時におっきい声をあげるらしい。
ライオンとか虎とか。
イカクして逃げられなくしたり逃げるために使ったりする。
じゃあ鬼ごっこでもイカクは使えるか聞いたら、私はガオーって声を上げるイカクよりも高い声を上げるほうが逃げられなくなるって。
初めて使ってみたけど効果あった。
「クソッ、ズルいぞ!」
「でも他の子は逃げてるから虎くんだけだよ」
「く、くそ〜」
「はい、ちゃんとオリに入ってね」
まずは一人。
私は足が速いからドンドン捕まえられる。
私の次に足が速い虎くんはいっちばんに捕まえたから逃げられない。
二人が守ってくれてるからオリからも出られない。
でも虎くん以外にも速い子はいるからちょっと疲れちゃう。
「ただいま」
「まだ誰も出れてないよ」
「逆に4人も捕まえちゃった」
「えー!!すっごい! すっごいじゃん!」
「でも希ちゃんは走って十人も捕まえてるから希ちゃんのほうがすごいよ」
「お前ら早く残ってる奴ら捕まえろよ。暇でとっとと次の鬼決めようぜ」
「希ちゃんが鬼だと結局みんな捕まっちゃうからね」
「お前ってないんでそんなに足速いんだよ」
「お母さんのおかげかな〜」
掛けっこしても私が一番速いし、みんな逃げる先が分かりやすいから先回りしやすい。
タイヤ飛びの方に行けば登るか邪魔ものにして時間を取らせるかで、あんまり邪魔にならない。
もっとふぇいんとを混ぜるといい。
虎くんはサッカーでそういうことしてるから捕まえるのが苦手。
足が速くてふぇいんともするから最初に捕まえる。
油断している内に狩る。
てっそくです。
「おーわり!!」
「捕まっちゃったぁ」
最後の
楽しかった。
富くんだけは鬼ごっこじゃなくてかくれんぼをやってたけど、オリにいる子に富くんがどっちに逃げたか聞いたら教えてくれた。
園舎の裏にある倉庫の横で、見えづらいし他のところにも逃げやすいらしい。
いいこと聞けちゃった。
だから音を立てないようにこっそり近づいてワッとタッチした。
見つかりづらいってことは見えづらいってことだから、こっそりしてると私がどっちからやってくるのか分からない。
「先生逃げた人みんな捕まえたよ」
「希ちゃんはすごいねぇ。先生だってそんな事はできないわ」
「いえいえ、柚ちゃんと薊ちゃんがオリを守ってくれていたおかげですよぁ」
「あ、あはは〜。大人かよ」
「希ちゃんのほうがすごいよ〜。私だったら絶対捕まえられないもん」
「ぼくも柚ちゃんも足遅いからね」
「あざみちゃんは速いじゃない。体力がないだけで」
「私はハイ、はいぶりっどってやつだ」
「ハイブリットじゃないけど希ちゃんは運動得意だよね」
「それに頭いいし」
「運動ができて頭が良いのがハイブリットだよ」
次の鬼ごっこは増やし鬼だった。
私も最後まで逃げたけど辺り一面鬼になっちゃって虎くんに触れられちゃった。
悔しかったらポコポコした。
それに泣いちゃった。
「うわ~ん」
「まったく、泣いたのは希ちゃんだったじゃないか」
「だってぇ〜、虎くんや〜だ〜」
「その虎くんっていう子はどっちだろうね。ライバルか...」
「?」
「まだ分からなくて平気だよ。ゆっくりとね。折り合いをつけていけば良いんだ」
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