あこがれ

たけぞう

第1話 あこがれ

 古いヒトの住処(すみか)にわたしはいた


 木の匂いがする家と広い庭


 


 庭には多くの緑があり


 色とりどりの花も咲いている




 わたしは木の壁にしがみつき


 日を避けるように


 身体を休ませていた





 「なんて可愛らしいのでしょう」



  

 声に目を開けると


 優雅に舞う蝶の翅





 ふうわりひらり


 ひらりふわり


 


 鮮やかな色彩が奏でる


 透いた音が耳に届く





 わたしは切望する


 ああ わたしにも


 彼らのような音が


 出せたのなら





 しかしわたしが持つ翅は


 ヒトを驚かせるだけの


 ヒトに嫌悪されるだけの


 ただそれだけのもの



 


 わたしは夜を待ち


 外灯へと飛んでいく


 


 彼らとは違う


 このばさばさといった


 粗濁な音を聞きながら

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あこがれ たけぞう @ta-ke3

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