資料①:海(ラジオ深夜番組)

【書き起こし】

ラジオ番組「ミッドナイト・ロスト&ファウンド」

放送局:○○放送(AM)

放送日時:2024年8月某日 深夜2時台

コーナー名:「あなたのちょっと変な話、聞かせてください」


DJ(以下D):さあ、深夜2時を回りました。『ミッドナイト・ロスト&ファウンド』、お相手は私、▲▲▲▲でございます。ね、寝苦しい夜が続いておりますけれども、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて、今夜もやってまいりました、恒例のこのコーナー。「あなたのちょっと変な話、聞かせてください」のお時間です。いや〜、今週もねぇ、たくさんお便りいただいてるんですけれども、今日はちょっと、妙に多いんですよ、同じような話が。海の話。

はい、早速いってみましょう。ラジオネーム「波間の耳」さん、25歳、女性、神奈川県の方。


『▲▲▲▲さん、こんばんは。去年の夏、友達と○○海岸に行ったときの話です。朝5時くらいに、寝れなくて一人で砂浜を散歩してたんですけど、波打ち際のちょっと先の方から、「ゴボッ、ゴボッ」って音が聞こえたんです。最初は海水が湧き出てるのかなと思ったんですけど、よく聞くと、誰かが水の中で何か言おうとしてる音に似てて。何となく気持ち悪くて、その海岸にはそれ以来行ってません』


D:えー、ありがとうございます、波間の耳さん。あのね、実はね、先月から、これと似たようなお便りがね、9通来てるんですよ。9通。全部バラバラの人から。場所もね、微妙に違うんですよ。神奈川の人もいれば、静岡、千葉、あと遠いと九州の方もいらっしゃって。

ちょっと、もう一通いきましょうか。ラジオネーム「海パンおじさん」さん、52歳、千葉県。


『毎週サーフィンに行ってます。三年前の秋、××の海で波待ちしてたら、真下から「ゴポ、ゴポ」って音がしました。その音の質が、空気の泡じゃなくて、肺から出た泡の音のように聞こえました。若い頃ダイビングのインストラクターやっていて、溺れた人を引き上げた経験が何度かあるのですが、その時聞いた音にそっくりでした。振り返って海面見ても、何もないんです。で、その帰り道にラジオをつけたら、同じ海岸で昼間に一人行方不明になったってニュースが流れて、思わずゾッとしました』


D:……あー、いやこれね、ちょっと生々しいな。プロの方の耳って怖いですね。「肺から出た泡の音」ってね、僕、今ちょっと鳥肌立ちましたよ。スタッフも静かになってる、これ(笑)。いや笑い事じゃないですけど。

もういっちゃいましょう、続けていっちゃいましょう。ラジオネーム「白昼夢」さん、男性、22歳、大学生。


『先月、バイトでライフセーバーやってた時の話です。朝、誰もいない△△の方の海岸で、一人で監視台の点検してたら、波打ち際のすぐ下から、ゴボゴボ、って音がしたんです。でも海面の方を見ても何もなくて。先輩にその話をしたら、急に真顔になって「それ、誰にも言うな」って。「その話するやつは続かないから。聞こえないふりしとけ」って言われました。ちょっと意味が分からなかったんですけど。▲▲▲▲さん、これ何なんでしょうか?』


D:……いやね、僕に聞かれてもね、分からないですよ。分からないですけども、なんかあれですね、先輩の「続かない」って言葉が、なんか引っかかりますね。何が続かないんですかね。

……えー、まあ、あの、ね。海で不思議な音が聞こえるっていう話、夏にはよくある話ではあるんですけれども。

……ただね、ちょっとね、今日のお便り読んでて、僕気づいちゃったんですけど。

この9通ね、全部、聞こえた場所の海岸で、水難事故が発生してるんですよ。

これ、偶然ですかね。

……あ、CM行きましょう、CM。ちょっと、休憩。いや〜、怖いな。

ではここで一曲、お聴きください。

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