主人公の庚(かの)と、彼女の恋人である睦(むつみ)。
図書館で昔一緒に読んだ本を手に取った庚ですが、睦との大切な思い出をなぜか忘れてしまっていました。
それでも睦は決して悲観したり急かしたりすることなく、「徐々に思い出すから」と頭を撫でて優しく彼女を包み込みます。
本作の最大の魅力は、二人に刻まれた「十二支」の不思議な印と、それを繋ぐ温かい触れ合いの描写です!
庚の右手にある『猫』の印と、睦の左手にある『子(ねずみ)』の印。
二人が手を繋いだ瞬間に印が重なり合い、まるで脈打つように鼓動する感覚とともに、幼い頃の記憶がふわりと蘇るシーンはとてもロマンチックで惹き込まれます。
十二支の伝承において本来なら因縁があるはずの「猫」と「鼠」というモチーフが、恋人同士である二人にどのような運命をもたらしているのか、ファンタジーとしての設定も非常に魅力的です。
照れ屋で少しもたついてしまう庚と、彼女の手を引いて自然に甘やかしてくれる睦。
二人のピュアで愛らしいやり取りに、読んでいるこちらの心までぽかぽかと温かくなる、癒やし度満点のファンタジーラブストーリーです!