第5話 妊娠
(……嘘)
陽性。
「妊娠してますね。」
自宅から
少し離れた病院の
帰り道。
なつ君に、連絡する。
♪〜♪〜♪〜
消しちゃったかな。
連絡先。
♪〜♪〜
出て…。
『もしもし』
「!なつ君…」
なつ君の、声。
「あのね、赤ちゃん。
私、妊娠してる。」
『……』
「なつ君」
何か、言って。
「なつ君の、子どもだよ。
私達の、子どもだよ。」
お願い、神様。
なつ君の、心
私に返して下さい。
『今、彼女といるから』
(!)
後で、連絡、くれるって
言って
その日は
来なかった。
〔昨日は、ごめん。
体調、大丈夫?〕
朝、LINE来た。
もう、彼女のいる人に
パパなんて
なれない。
でも…。
〔堕していいの?〕
〔いいの?〕
〔なつ君は?〕
〔ごめん〕
…だよね。
なつ君は
たくさんの、お金を
振り込んでくれた。
一応、検診。
知らない街並み。
ぼんやりと歩く。
(バー…)
桜スパークリング。
可愛い。
…飲んじゃえ。
「いらっしゃいませ」
上品だけど
ワイルドなお店。
「…いいですか?」
「どうぞ。」
「この、スパークリング
お願いします」
「妊婦さんですか?」
あっ。
マタニティマーク。
「…ダメですか?」
「そうですね。
やめときましょうか。」
「………」
「桜、ノンアルで
作りますよ。」
「…ありがとうございます。」
かわいい。
本物の、桜
添えてくれてる。
「美味しい。」
「よかったです。」
落ち着いた人。
「…見てください。」
ん?って、
にこって
傾げてくれる。
エコー写真。
思わず
見せてしまった。
「かわいいですね。」
「へへ…」
なつ君と、
言いたかった。
(あ…。)
ぽろぽろぽろ…
バーテンダーさん
黙って、離れてくれた。
カウンターの奥で
涙を、
抑えた。
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