第32話 東南合併国ライン跡地-④

「精霊具現化(エンボディ)。よし、こんなものかな。あぁ、やっぱり最後に一発。」


人差し指と親指を立て兵士が戦っている方面へと魔法を放つ。


「ばぁん。」











「ねぇ♡ねぇ♡もっと!もっと!本気で!!戦いましょう!!!」


何なんだこの力は、このままだと押し負けるか。


「暴風!!」


俺は剣を振ると同時に風を呼び剣の振りの速さと威力を上げる。


「ヌガッ!!!そんな力があるのならまだまだあげれるわよね♡フンヌッッ!!!!」


オカママの服が弾け跳ぶ。


「やだぁ〜ん、見ないでぇっ!!!!」


照れているのに気色の悪い笑顔で殴りかかってくる。


「ははっ!貴様が破ったのだろ!!地面は反発する!!」


オカママの攻撃を剣で受け止める。そして地面が凹んでいく。


「オラァ!!」


俺は地面がもとに戻る時の反動を利用しオカママを吹き飛ばす。


「ヌンハッ!!うん♡いい!!」


オカママは結界に激突し血を吐くが笑っていた。


「なぜそこまで笑っていられるのだ?意味が分からない。」


それにもう一人はどこに……


「この人の単なる趣味ですよ。」


「?!」一体どこから……。俺は後ろからの攻撃で後ずさる。


「私の事をもっと見て欲しいの♡」


さっきよりも筋肉の質が上がったように見えるんだが…絶加か……。


「フンヌッッ!!」


俺はオカママの攻撃をもろに食らってしまうその攻撃は先程よりも重く感じた。


「拘束したのは失敗だっかもしれませんね。」


すかさずもう一人が攻撃をする。


「何を言っているんだ。俺に失敗などない!!」


「失敗などないぃ??それは違うわよ………。失敗無くして成果無し!!本気で殺り合えると思ったけどダメね。私が失敗を教えてあげるわよ♡心をズタボロに引き裂くくらいにはね。」







「あれ、待てよ……。」


コウさんが何かありそうな顔で額に手を付けていた。


「リン様、アズマ君でも構いません。探索魔法、いや何か何でもいいんで魔法を使うことはできますか?」


「魔法ですか…?それは使えると思いますけど。」


リンは不思議そうな顔をしている。そりゃあ魔法を専門としてるのにそんな事聞かれたら変に思うよな…


「取り敢えず使ってみてください。」


コウさんは怒りと焦りが混じったような声で再び言った。


「え、あ、分かりました。ファイヤボール……あれ?使えない……。」


馬車の外に向かい呪文を唱えたが不発に終わる。



各所で戦闘が起きる中、ユイガ・ソンが唯一話をまともに聞くと言われる第二支部長、コウは空気の異変とリンの魔法不発により確信がつく。



今現在、この場、東南合併国ライン跡地には魔法発動に必要な"魔素"がほぼ無かった。


「魔素は空気中に存在し、魔素は詠唱と魔力により結びつき魔法として放たれる。そしてこの場は以前からほとんどの者が立ち寄った形跡がない…むしろ魔素で溢れかえっているはずなんです。こんなふざけた真似できるのは一人だけ……。」


俺はその説明を聞き自然とその者の名を口にしており、無意識のうちにコウさんと声が重なった。


「「〈南の勇者〉ナミ・アイビー……!!」」


「じゃあ、さっきまでなっていた音は戦闘音じゃなくて……。」


リンは困惑を隠しきれていない表情で呟く。


「はい。魔法が着弾した音かと。音の方向的にシオンさんが危ないかもしれないです。」


ナミ……お前は今、どこにいるんだよ……!








「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」


さっきらから魔法は来るし、変なのは飛んでるし……コイツ馬鹿力過ぎだろ……。


「終わりですか?元勇者だと聞いてたのですが……。」


「うるせぇ、ブランク大アリのおっさんに勝ったってお前も嬉しくねぇだろ。だがな安心しな。まだまだやれるぜ…!」



魔素枯渇……。これは後に両国に影響を及ぼす。特に両国の勇者には………





探索魔法であろうとも、

    

   "魔法の使用には魔素が絶対不可欠である"



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