第26話 短期間強化訓練及びダンジョン攻略-②

「はぁ、はぁ、キリがないな…。」

もう二度と訪れることはないだろうと思っていた神層にて、一度殺されかけた魔物の群れを倒していく。あの時とは違い勝てる。が…多すぎる。

前回は■のおかげだったのか…?

「ごめん!時間稼いで!」ミナミは俺に伝え後ろに下がる。

「もっと早く、その秘策をやってくれ…。ファイヤボール!」俺はミナミを守るために動く。

「火、水、風、雷、光、闇……自然の力を宿す精霊たちよ。我らの窮地を救うため力を分け与えたまえ。精霊具現化(エンボディ)!」ミナミが詠唱を終えると様々な色の球体に羽が生えているものが出てきた。

「ミナミ…これは…?」

「精霊だよ。僕さ、魔力量は昔からとてつもないほどあってさ。魔法のもととなる精霊を具現化できるんだ。」ミナミは笑顔で説明した。

精霊達はミナミの周りを飛んだり、魔物に突っ込み攻撃したりしている。

「こうやって、精霊たちが力を貸してくれるんだ。時間を稼いでくれてありがとう。後は僕に任せて。」ミナミは地面を蹴り、魔物の群れに突っ込んで行った。


『南の勇者の加護は無限魔力。文字通り無限の魔力を持っている。その特性を活かし、精霊を従わせる。精霊を従わせる者は本当に少ない。いたとしても、一から二属性の精霊だけ。あいつは…』


ワルパフさんの情報が脳裏をよぎる。


『「全属性の精霊を従わせる……精霊騎士……。」』

脳裏によぎった言葉と呟いた言葉が重なる。


「そんなはず、ないか……。そもそも他国の勇者がいるはずない……。」

「全精霊付与(エレメンツ・グラント)!!」ミナミは異様な覇気と共に攻撃を一気に仕掛け、魔物を一掃した。

「アズマ!終わったよ!」

「サンキューな!」俺はミナミに拳を突きだした。

「あぁ!」ミナミは何をしようとしていたのか察して、拳を同じく突きだした。

「ホケェェ。」ちっこいのはミナミの拳に顔を当てた。

「よし!まず、セーフティースポットを探そう。」セーフティースポット、魔物が侵入できないエリア。いわゆる休憩所だ。ここが神層だと考えるとあるのかは怪しいが、一応はダンジョン。ある可能性も十分にあると思うのだが…。体力的にも考えると…。

「よし、やっぱりやめだ。ここをセーフティースポットにしよう。」俺は手のひらの上に拳をポンッと置いた。

「え、えぇ?どうやって……?」ミナミは明らかに困惑していた。

「ここに対魔物結界を張る。以上!」俺は地面に脳内の魔法陣を転写する。すると、男二人が休憩するには丁度いいような結界が生成された。

「アズマさ…結界張れるの?!」ミナミが俺の方を掴みブンブン振る。

「まぁ、ちょっとな…。あはは……。」俺は頭を掻く。

「ま、お互い様かぁ~」ミナミは肩から手を離した。

「そういうことで。」

「じゃあ!取り敢えずこの子の名前決めよ!」ミナミはちっこいのを手のひらの上に乗せた。

「ちーとかでいいんじゃね。」俺は火起こしの準備をしながら言った。

「可愛いし、それでいいいと思う!君はどうかな……?」ミナミはちっこいのに確認とる。

「ホケェェ!」ちっこいのは手のひらでぴょんぴょんと跳ねた。

「決まりだね!よろしくな、ちー。」ミナミはちーの頭をなでた。

なんか、楽しいな…これが異世界……。そうだ……!俺は今。めっちゃ異世界アニメっぽいことをしているっ……!

俺は小さくガッツポーズを決めた。


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