一字一句、まったく同感です。
もちろん、微に入り細を穿つ説明することで、どのような質問にも「ちゃんと説明を書いてある」とはね返し、他にはない世界観や文体を確立するのもありです。
しかし、いたずらに説明描写を増やすことは、かえってその作品への想像の余地を奪います。
読者の想像の余地を奪うということは、その作品は読者にとっていつまでも対岸にある遠いものであり、ぼんやりとでも、自分の心の中で夢想や思想が動くことがないということを意味します。
12色で描くよりも24色、48色とあるほうがいい。ですが、一万色にまでなると、見ている人にとっては色数の多さの点でのみ感嘆に値はしても、6色で描かれた画のほうがかえって強く印象に残ります。
数千色持っている人がぐっと抑えて言葉を選び抜く、これにより、読む人の心にもその文章の後ろに隠されているものが心の中に流れ込んできて、あれやこれやと自分の心が想像をはじめ、その作品が心に根付く余地が生まれるのではないでしょうか。
もっとも、後天的にその感覚を掴むには、一度、「描写過剰」の時期を通り、色数だけをどんどん増やしていくという苦闘の時期を通らなければならないのかもしれません。