デスゲームは未完作品も多いジャンルだが、第一のデスゲーム、第二のデスゲーム、ともに完結する。
容赦なく!
デスゲームファンは安心して手に取って良い。
物語はデスゲームの『運営者』の視点で展開していく。
デスゲームには観客が存在している。
運営として、ちゃんと◯し合いをしてほしいし、あまり呆気なく終わっても困る。
盛り上がってほしいのだ。
『運営者』は圧倒的に有利な立場だが、それでも思い通りにはいかない。
コメディ要素はあるか。
ある。
人間そのものが喜劇的存在だからだ。
悲劇要素はあるか。
ある。
人間そのものが悲劇的存在だからだ。
ホラー要素はあるか。
もちろんある。
描写は抑え気味だが、ゲーム参加者の行動と運営者の涙ぐましい努力、双方ともにおそろしい。
そして、読者視点でミステリー要素がある。
誰が最後まで生きのびるのか。
これが難しい。
私はあてられなかった。
この物語を空想の産物、エンタメとして消費するのは簡単だ。
でも、考えてほしい。
80年少し前は、赤い紙一枚で国家規模のデスゲームに国民を動員していたのだ。
ただ、この小説のデスゲームは優勝賞金10億円で、生きのびた者で山分けになるらしい。
遺族年金よりだいぶ安いので、参加者は文句を言ってよい。
そんな事をつらつら考えるくらい夢中で読んだ。
喜劇的悲劇的ミステリー的ホラー作品である。
【レビューコンテスト応募】
とても面白かったです。モキュメンタリーというジャンルで、ここまで笑えるデスゲームを書いたのは、おそらく作者の桜森さまだけなのではないか、と思います。
本作はデスゲームを題材としたモキュメンタリーなのですが、デスゲームという恐ろしい印象とは裏腹に、様々なギャグパートが含まれています。
時には出血や肉体の損傷などが起こりますが、それもまたホラーな、グロテスクな展開として非常に上手く書かれていて、ホラー好きな方でもめちゃめちゃ楽しめると思いました。
中でも注目していただきたいのは、運営側の努力です。本作ではデスゲームを運営している側の人たちがどうにかお客さまに満足していただけるように奮闘します。デスゲームの参加者と運営側の絡み合う策略や思考がすごく面白く、最後までどのような結末を迎えるのか、目が離せませんでした。
超斬新な設定ですが、結末は一体、どんなふうになるのか、皆さまの目で確かめていただきたいです!
超おすすめです。ぜひ、ぜひご一読ください!
とある会社の資料によって、その会社でデスゲームがおこなわれていたことがわかるというモキュメンタリーホラーです。
開催されたデスゲームは二つ。
一つ目は11人によるデス・サバイバル。死の腕輪の解除条件をクリアしつつの殺し合いです。ちなみに解除条件は全員バラバラ。
二つ目はチーム戦で、殺せばクリアとなる隠された標的を探りながら殺し合うもの。より高度な頭脳戦となります。
本作はジャンルはホラーですが、怖いどころかコメディ要素があって笑いながら読むことができました。
特に登場人物はとても個性的な者が多く、参加者同士や運営同士の人間関係の変化から目が離せません。
そして、二つのゲームには伏せられた要素があるので、それを推理したり、誰が生き残るかを予想したりしながら読むという楽しさもあります。
特にラストは盲点を突くような意外性が発揮されたり、ルールを最大限に利用した駆け引きで圧巻の頭脳戦が繰り広げられます。
本作は濃密な「論理的思考」と「笑い」が堪能できる作品です。
普通のモキュメンタリーとは一味も二味も違うので、モキュメンタリーが好きな人も苦手な人も楽しめると思います!
デスゲームの代表的な作品である「バトルロワイヤル」を読んだ時も思ったのだが、人が極限状況に置かれた時に、平穏な日常で保っている筈のモラルなど容易く消し飛んでしまうのだろう。
それは自分が生き延びたいという、動物としての本能的な希求なのだと思うが、部外者として作品を読む読者的には、何か違う要素を求めてしまうのは致し方ないのではないのだろうか。
しかしこの作品では、ただひたすらゲームを勝ち残り己の生存を希求する者たちが、モラルなどという綺麗事はかなぐり捨てて殺しあう。
もしかしたらこれこそがデスゲームの本質を突いているのかも知れないと思わされた。
特に後半の集団戦では、互いにゲームを楽しんでいるような雰囲気さえ窺える。
それはある意味非常に現代的で、読者に殺し合いすらもありふれた娯楽として感じさせる、そんな作品なのかも知れない。
読み進めるごとに「デスゲーム」というものの意外な側面な見えてくる、すごく新鮮な魅力を持った作品でした。
デスゲームを運営している「とある企業」。その企業の報告書などの形式により、参加者同士の殺し合いが行われていく様子が紐解かれる。
デスゲームと言えば、「参加者(主人公)の視点から、どうやって生き残るか、人を殺すことへの葛藤にどう折り合いをつけるか」などが描かれるのが定番。それでもゲーム内のルールや他の参加者の行動により、やむを得ずゲームに参加せざるを得なくなっていく。
でも、改めて考えると「デスゲームのルール」というのは本当にきっちり練り込まないと実施が難しいことがしみじみと伝わってきます。
「参加者たちが殺し合いを始めなければ退屈な状況になる」
「殺し合いがヒートアップしすぎると初日で終わってしまう可能性もある」
「特定の一人だけが強くなりすぎると、バランスが悪いただの殺戮になる」
デスゲームがデスゲームとして機能するためには、本当に繊細な調整が必要なのだということが本作を読むとわかります。
運営側の人間がどのような試行錯誤し、ゲームを成功に導いていくか。そして、ゲームそのものの最終的な勝者は誰になるのか。
本作はデスゲームの行方がどうなるのかという「サスペンス」の本筋と共に、運営側がその裏でどんな苦心をしていくかという「お仕事モノ」としてのストーリーも楽しめるという、すごく贅沢な造りになっているのが魅力です。
これを読んだ後は世の中にあるデスゲームものの作品の見え方が変わることになるかもしれません。「あー、ここでこんな感じに調整しているのか」と作り手の苦労が垣間見えることにもなるかも。
【レビューコンテスト応募】
本作は、デスゲームの運営資料という斬新な発想のモキュメンタリーです。
デスゲームを「参加者の物語」ではなく「運営される企画」として描く発想が素晴らしいですね。
物語を構成するのは、運営側が作成したチェックリスト、参加者の調査資料(知力や運動能力、残忍性といった評価値付き)、腕輪の解除条件など。
物語の進展は、運営が参加者の中に潜りこませたスタッフの報告書という形で知らされます。
ところで、デスゲーム作品を読んでいるとき、私たちは無意識のうちに「主人公は最後まで生き残るだろう」と考えています。
また、主人公と共闘する仲間も、ある程度のところまでは生き残るはずだとも思っています。
そして、それはおそらく正しい。
少なくとも物語の半ばくらいまでは、誰が生き残るのかを予想できてしまうのです。
しかし、本作には明確な主人公がいません。
読者が見ていくのは、あくまで運営側の資料です。
誰が最後まで生き残るのか、まったく予想できないのです。
主人公という安全地帯を取り払うことで、デスゲーム本来の「次に誰が死ぬか本当にわからない」という緊張感を取り戻した本作。
ぜひご一読ください!
【レビューコンテスト応募】