※12※
ほー。これがこの町の冒険者ギルドか。
思っていたより立派な建物だった。3階建ての石造り。ドアも頑丈そうな木の一枚板。
裏口から中へどうぞ…と促され、これは裏口だったのかと気が付いた。
中に入ると階段がある。2階だけじゃなく地下に続いている階段もある。少なくとも地下1階、地上3階の建物らしい。
俺たちは上へ上へ…と3階へと案内された。久しぶりに3階まで階段を上がった。きつい。一気に、しかも速足で3階だもんな。冒険者とギルド嬢恐るべし。
「こちらの部屋をお使いください」
空室なのを確かめてから、マレサさんは大きくドアを開けた。テーブルがひとつ、椅子が6つ。会議室かな。
「コルサ、ケンゴと先に食事を済ませてもらってもいい? 私は10分ほど席を外すから」
「了解」
マレサさんは俺たち2人を部屋に残し、出ていった。
「腹減ったな」
「ああ」と頷きながら背負子を床へ下ろし、テーブルの上にパン箱を並べる。
「ジュースも多めに持ってきたんだな」
俺のチョイスを見たコルサが感想を言った。すでに自販機からは消えたみかんやレモン水もいれてある。秘密のポケットにはまだどちらも入っているから、明日も用意できる。数は少ないけど。
「日持ちするものだし、やっぱり売れ行きがいいからな」
うんうんと頷いているところを見ると、俺の用意したラインナップは合格だということだな。
「俺もここから選んで食べていいんだろ?」
「ダメだと言ったらどうする?」
「泣く」
笑った。
「嘘だ。ここに来る前にたっぷり買い込んできたからな」
「好きなのをとってもいいんぞ」
「いやいや、売りもんなんだからシビアに行こうぜ。で、結局値段の方はどうした?」
「3メレルでどうかな」
別に上乗せなしでも構わないと言えば構わないのだが…
「パンもジュースも?」
「そう。高いか?」
「いや、安いだろ。ジュースは4というと高く感じるが…日持ちすることを考えると4でもいけそうな気もする」
「3でいいよ。それかセット価格にして、パンふたつで5にするか」
「あ、それいいかもな。お得感がある」
「パン2つとジュース1つで8。ジュース単体で3だけど、ジュース2つなら5とか。あまり組み合わせがいろいろあるとややこしくなるか」
「そうだな。ケンゴが大変にならない程度でいいんじゃないか?」
俺はあんパンとフォカッチャ、リムレジュースとの組み合わせ。コルサはSAで買ってきたピラフおにぎりと、メロンパンにリンゴジュースを自分のカバンから出していた。泣くと言っていたのは冗談だったらしく、コルサは俺が持ってきた売り物には手を付けなかった。
「自販機のメニューが変わるのは嬉しい半面、気に入った味のが食べられなくなるのは残念だな」
「そうだよな。こればかりは俺も選べないし、明日何が来るかもわからないんだ」
「ケンゴにも分からないのか。不思議だな」
「ああ、すごく不思議だ」
本当はもっと突っ込んだことを聞きたいだろうが、コルサは俺を気遣ってか聞かずにいてくれる。得難い友だよ。
「マレサ遅いなぁ。俺たちだけでどんどん食べてしまうぞ」
思わず笑った。
コルサのカバンにはマレサさんが指名買いしたものも入っている。
「ツーリ爺さんのところへ行って、箱をあと2つ追加注文してこようかな。かさばるけど背負子に4つ乗せても楽々運べる気がしてきた」
「運べるならそうしたほうがいいかもな。俺ら明日は仕事に行く予定なんだが、ケンゴはどこにサービスエリアを出す予定だ?」
「まだ決めてない。仕事ってどこへ行くんだ? 決まっているのか?」
「いや、この後、見に行こうと思ってる」
「朝一番でないといい仕事がない、とかそういうんじゃないのか?」
「そんなことはないな。幸い、俺たちのパーティの担当者にマレサがついてくれているから、俺たち向けの依頼があったらキープしてくれているし、キープするようなのがなくても常設依頼を受ければいい。チャチャムたちに半日程度の仕事と約束したから、明日はダンジョンに潜るのもなしだ」
ダンジョン! この世界にもあるのか!
「なんだ、ケンゴ。ダンジョンに興味津々って顔しているぞ」
「そりゃそうだ。話…うわさ話でしか聞いたことがないけど…本当のところはどうなんだ?」
「多分、噂通りだろうな。ダンジョンに現れる生き物を倒すと消える。時々宝箱が置いてある隠し部屋がある。古代文明のお宝であるアーティファクトが、運が良ければ出てくる。本当に…かなり運がよくないと駄目だけどな」
リアルか…リアルなんだな。ダンジョンのお宝やアーティファクトは本当に存在した。
俺は今、猛烈に感動している。
「スキルの水晶もアーティファクトを元に開発したものだって言われているけど、いまじゃあれがすでにアーティファクトみたいなものだ。誰も詳しいことが分からないんだからな」
スキルの水晶というと、守衛たちが使っていたあれのことかな。俺のスキルがないってびっくりしてた。大騒ぎするようなことらしいから、みんな何かは持っているのが普通なんだろうな。
「アーティファクトのことをまとめた本みたいなものはないのか?」
「ないな。いや、国の学者とか貴族の爵位が上の方なんかにはあるのかもしれないが…俺たちみたいな平民に手が出るようなものじゃないだろうな」
「そうか…」
残念だ。どんなものがあるのか知りたかったのだが…。
「マレサに聞いてみな。ギルドにも不思議な道具があるらしいから、話のネタにできる程度のことなら教えてくれる」
コルサは彼女であるマレサから話を聞いているが、自分の口からは言えないということか。口が軽いってのは信頼をなくすが、こういうきちんと対応出来る人が信頼を積み重ねていく。
「ありがとう。時間ができた時にでも聞いてみる」
食べ終わってしばらく待っても誰も来ない。
「あ、来たかな」
コルサに遅れて、俺も足音に気が付いた。
誰かがこの部屋にやってくるらしい、と思った次の瞬間にはドアが開いていた。
「待たせた!」
バーン! と擬音語付きの派手な登場をした大きな男と、その後ろから2人の男女も室内に入ってきた。一番後ろにいたマレサさんが部屋のドアを静かに閉めた。
「俺がマレルレの冒険者ギルト長、ハーヴァだ」
声もデカいが迫力もすごいギルド長は大股でテーブルに近づき、俺が用意したパン箱の中を覗き込む。
「ふむ…これがそうか」
「副ギルド長のリニックだ。はじめまして」
「はじめまして」
ハーヴァがデカい、豪快、愉快な男という感じなら…リニックという男は小柄でひょろい、神経質でまじめそうな男という印象だ。見事なでこぼこコンビだった。
「メローサ。ギルドの購買部で仕入れと管理を担当している」
一番最後に挨拶してくれたのは、ふくよかな食堂のおばちゃん…いや、購買部のおばちゃんだった。愛想よく、にこにこと笑いかけてくれた。おばちゃんは失礼か。年齢50代くらいのお姉さまだ。
初めましてと3人を順に見て「ケンゴといいます」と名乗った。もちろん、スマイルゼロ円は忘れない。
「マレサから簡単に話は聞いているわ。時間がないから先に商品のセールスを聞いてもいいかい?」
おば…お姉さまの「時間がない」発言に軽くひっかかったが、妙に焦っているような空気を感じた俺は異を唱えず商品説明を始めた。
「では、早速始めさせていただきます」
パンはすべて袋入りだ。白パンとかあんパンとか商品名は書いてあるが、見たことのない人には文字だけでは分からないと思う。
自販機のほうにはサンプルが飾られているから、それを見ながら選べると言えば選べるけど…馴染みのないものは見ただけで分かるわけじゃない。
「こちらのパンは白パンといいまして、ふんわり柔らかくほんのりと甘い味とミルクの優しい香りが特徴のパンです」
袋の口を開け、白パンを少し取り出して見える状態にする。開封しても、パンが消費されたわけじゃないから袋は消えない。
「真っ白で、柔らかそう!」
初めて見る人にはこれだけでもかなり食いつきがいい。町で普通に売られているパンはハード系だ。日持ちするという利点はあるが、それだけを食べると硬くて口当たりもポソポソしている。
「次に…こちらは黒パンと言います。こちらも柔らかくくほんのりと甘い味ですが、白パンと違って黒糖が使われています」
「黒砂糖かっ!」
「はい。黒糖の優しい香りと味を楽しむことのできるパンとなります」
黒砂糖であっても砂糖は砂糖。砂糖自体が高級品のこの世界では、黒糖も贅沢品に入る。
「次に、こちらはメロンパンというパンです。特徴は…サクサクとした口当たりの良い甘い生地が外側、中側は全く違う食感のおいしいパン、という二層になっていることです。こちらはとても人気のあるパンのひとつです」
メロンパンはこの世界の人にも人気だ。男女の差もない。
「次に、こちらはフォカッチャというパンです。ハーブを生地の上に散らして焼き上げたこのパンは素朴でいながら飽きのこない美味しさで、食べ応えがあるパンです」
先の3つに比べるとインパクトが弱い。しかしこのフォカッチャも食べてみればその味わい深さに気が付くだろう。
「最後にご紹介するこのパンはあんパンといいます。これは見ただけでは説明しにくいため、ひとつをサンプルとして切り分けます」
小ナイフでまず半分に切り、あんの分布状態を見て…確実にあんが含まれるように小さく一口サイズに切った。
「中身の黒いものはあんといいます。小さな豆を砂糖で煮込んだものです。よろしかったら、試食をどうぞ」
ばばっと4人の手が伸びる。って…マレサさんも食べるの? あ、もしかしてまだお昼を食べてないからお腹が空いているのか?
「美味しい!」
「甘いな」
「こんな甘いパンは初めてだ」
「興味があるようでしたら、ほかのパンも試食してみますか?」
「いいのか! ぜひ頼む!」
ということで先ほど袋から取り出していた他のパンも小さく切り分けた。コルサ達に食させたときは5等分したが、今回は出来るだけ多くの人に試してもらえるようにかなり小さくした。だがまあ、小さくても十分わかるのではないかと思っている。
「どれもこれもうまいな」
「すべて、食べたことのないパンだわ」
「確かに。美味しく見たことがないものばかりというのは本当でしたな」
「今回はパンの他にもジュースを持ってきました。紙の容器に入ったフルーツジュースです」
食い入るようにパンを見ていた3人の視線が、紙パックジュースに注がれた。
「開封しなければ半年以上品質が保てると聞いたが…本当か?」
すでにマレサさんが説明していてくれたらしい。
「はい。紙パックの裏側に日付が書いてあります」
ほらここに、というようにその部分を見せながら説明する。
「開封しなければこの日付を超えるまでは問題なく飲んでいただけます。ですが、一度開封したものはできるだけ3時間以内に呑み切っていただきたいです。美味しく飲んでいただきたいですので」
「フレッシュな、しばりたてのようなフルーツジュースと聞いたが…」
「はい。試飲できる準備をしていませんので、買って飲んでいただいた方にしか美味しさを伝えられずすみません」
「いやいや…そんな厚かましいことは言えない。パンだけでも十分サービスしてもらった」
「ぶどうがあると聞いたが…」
「はい、こちらです」
「イチゴミルクというのがとても甘くておいしいらしいね」
「それはこちらです。特に女性に人気ですね」
それぞれの紙パックジュースを見えやすいように箱からテーブルへと取り出して置く。
「で、肝心の値段を聞いていなかったが、幾らだ?」
「単品ですと、パンもジュースもひとつ3メレル。パン2つで5メレル。パン2つとジュース1つの組み合わせで8メレルとなります」
「安い…」
「本当にそれでいいのか?」
「今回、ギルド内で販売をさせていただく場所代といいますか…お礼としてはどうなりますでしょうか?」
メローサさんがギルド長のハーヴァを睨むように見た。
「あー、メローサが決めてくれ」
「かまわないんだね?」
「今やめたら殺されそうな気がしてきた」
殺される? 何をやめるって?
「リニック」
と、今度は副ギルド長のこともメローサさんは睨み付けたよ。
だけどメローサさんに睨まれたリニックさんは俺の方に身体ごと向きを変えた。
「ひとつ質問ですが」
「あ、はい」
「こちらのパンとジュースの販売は定期販売ですか? それと、数量の方はどのようにお考えです?」
あーそれは…と俺はコルサの方を見た。
まだ決めていないんだよな。
マレサさんも俺の返事を心配そうに見ている。
「不定期販売になります。数量は今回と同じか、もう少し増やすことも可能です」
俺のスキルを育てることを考えたら、直接販売ばかりしていられない。つまり俺の出張販売は最低限。欲しい商品を町などで買うための現金獲得の手段になる。
「そうですか…」
あれ? 全員にがっかりされてしまった?
「分かった。不定期販売なら場所代なんてケチ臭いことは言わない。そう決めたよ。いいね!」
メローサさんの最後のセリフの「いいね!」は「いいね?」ではなく「文句は言わせないよ。分かったね!」に聞こえた。
「それじゃあ、もうみんなを呼んできていいですか?」
「あ、あ…そうだな」
休憩休みがなくなったら殺される…ってギルド長の呟きが聞こえた気がした。
「パン2つとジュース1つで8メレルでしたね。これこれこれこれこれこれで2セットお願いします」
リニックさん、高速指差しをしたぞ。10メレル2枚を受け取り、おつり4メレルを返す間にメローナさんとハーヴァも自分たちの目当ての商品を自分たちでキープして、おつりなしで払ってくれた。
みんなが焦っていたということに気が付いたのは、廊下の奥から聞こえてきた複数の足音。そして駆け込んできた多くの女性職員たち。わっと取り込まれた俺とパン箱。…という怒涛の展開を食らった後だった。
「コルサ、お願い預かってて!」
マレサさんが素早くパンふたつとジュース1つをキープして彼氏にパス。あれ? マレサさんの昼食の分は、コルサのカバンの中に入っているはずだけど?
「みんな。パンの試食は一人一つよ! 欲しいものが決まったら手に取ってもいいけど、喧嘩しないでね!」
マレサさんの声にはっとして、呆けている場合じゃないと気合を入れる。
「お値段はすべて…単品ですと、パンもジュースもひとつ3メレル。パン2つは5メレル。パン2つとジュース1つのセットの場合は8メレルとなります」
「セット買いがお得ということね!」
「イチゴミルクというのはどこ?」
あー。すでに箱の中にはない。
「お会計お願いします!」
誇らしげにイチゴミルクを2つもキープした女性に会計を促される。
「パン2つとジュース1つのセットが2つで16メレルと、ジュース単品売りが2つで6メレルの、合計22メレルになります」
次からは販売価格表を用意した方がいいな。
「次は私よ」
「パン2つとジュース1つで8メレルとなります」
「お願いね!」
「パン2つとジュース1つの8メレルとジュース単品売り3の合計11メレルとなります」
「私のはいくら?」
「パン2つとジュース1つの8のセットが3つで24メレルとジュース単品売り3つの合計が27メレルとなります」
ぎゅうぎゅうになりながらも並んでくれているから対応できている。一度に会計を求められなくてよかった。
「イチゴミルクー!」
きちんと並べてあった紙パックがぐちゃぐちゃだ。かき回して探してももうイチゴミルクはない。
他のジュースよりは多く持ってきていたんだけどチャチャムたちと別れるときに友達の分…と渡した。メローサさんが1つ買って、マレサさんが1つ買って、ひとりで2つ買った女性がいたから、残り2つしかなかったのだ。
マレサさん、事前に宣伝しすぎだろう。
騒がしく慌ただしい女性職員たちの買い物が終わった後…まだ終わりではなかった。在庫がめっきり少なくなったパン箱を前にした男性職員の諸君。用意してあったパンの試食はとっくになく、あらたに用意しようにも残っていたのはフォカッチャだけ。それでもパンが買えた人ばかりではない。残っているのはレモンジュースのみ。なのに嬉しそうに買って行ってくれた彼に、心からありがとうを伝えた。
パン売り用の箱。やっぱりあと2つ追加してこよう。
*
「ケンゴさん、お疲れ様でした」
他の職員がいなくなり、あとに残ったのはマレサさんとコルサだけ。
「これ、私の分の8メレルです」
つい…勢いで1セット買ってしまっただけだとしても、俺もコルサも余計なことは言わない聞かない。彼氏のカバンの中にたっぷりキープしてありますよね? なんて口が裂けても言わない。
「ありがとうございます」
8メレルを受け取って、財布代わりにしている袋に入れる。
一気に小銭がたまった。小銭入れを買った方がいいかな。
「ようやくお昼ご飯が食べられる」
苦笑しながら椅子に座ると、マレサさんはイチゴミルクの紙パックにストローを指してチューっと吸い始めた。
「あー生き返る!」
それは良かったです。約一名…いや、他にもいたから数名が死んだようになっていましたが…なにも突っ込みません。
「あぁ、美味しい…」
嬉しそうにメロンパンを食べる美女。コルサが見惚れているよ。
「ケンゴさん、ギルドの販売…不定期に決めちゃったのね」
「すみません。毎日の卸はさすがに無理かなぁと」
もぐもぐ食べているマレサさんを見ていて気が付いたよ。
彼女はギルド内でいま食べる分は自分で買いたかったのかも。SAで買った時はコルサがお金を出していたしね。あれは持ち帰り用で別。そしてここで食べるのは自分負担。ギルド嬢として、公私の区別をつけるという感じなのかも…。
「それはこちらとしても無理は言いませんが…ここの職員の数も多いし、今日だけでは買えなかった人もいたし…しばらく続けてくれると助かるのですけど…ダメですか?」
いや、その「ダメですか?」はダメでしょう。コルサでなくても、男ならノックアウトされるやつですよ。美人さん、危険。
「明日は数を増やして持ってきます。イチゴミルクもまだ在庫があるので多めにお持ちします」
「良かったぁ」
安心したようにジュースをチュー♪ とんがった唇に視線が吸い寄せられそうになるが、さりげなく視線を外す。彼氏の前で迂闊なことはしちゃダメ。
「あ、今日みたいな混乱を避けるため、明日だけでもいいので予約注文ダメですか?」
だから、その「ダメですか?」はダメですってマレサさん。
「分かりました。…ただし、覚えて帰ることはできませんから、間違いがないような形にしてもらえると助かります」
「もちろんです。いらなくなった依頼書の裏…は外部流失になるからまずいか…ちゃんとしたメモ書きをお持ちします」
「分かりました。…パン箱の追加オーダーをしてきたいので、一度木工屋へ行ってきます。夕方までには戻ります」
「はい、お待ちしています」
ということで一度マレサさんとはここで別行動。裏口からギルドに入った俺はまた裏口から出たよ。
すっかりデートではなくなったコルサは俺と一緒に行動してくれた。迷子の心配はないけど…助かります。急いで買いたいものの買い物は終わったとはいえ…まだまだ欲しいものはあるからね。
おススメの店や品物があったら教えて欲しい。
「あ、コルサ。言い忘れていたけど…」
「ん?」
「ギルド嬢の制服、イイね」
「いいだろう?」
自慢げにコルサも胸を張る。
普段着ももちろんいいが、ギルド嬢のあの制服を着たマレサさんはそれはそれは見惚れるほどの美人だ。
「ライバル、多かっただろ?」
「もちろん多かったさ」
そのふっと笑った顔。憎らしいほど自信満々だな。…ま、そうなっても仕方ない。
胸元のセクシーゾーンがやぱい。上着が胸元を寄せて上げたようなデザインだからか、もともと大きな子ばかりが採用されているのか、ついついハートのセクシーゾーンに視線が吸い寄せられる。制服のお揃いの帽子はキュートなのに、全体でみるとセクシーな印象。スカートもヒップラインがきれいに見えるタイトで、動きやすいようにスリット入り。チラリズムの感動が分かっていらっしゃる。
時折、受付ブースの奥から出てきて彼女たちがフロア内を歩き回ってくれたら、それだけで大注目だろう。前から見てよし、後ろ姿もよしだからな。
今日は品切れが早くて満足してもらえなかったし、俺の目の保養にもなるし…明日もギルドに来て出張販売しよう。
ひそかな楽しみを見つけた、俺の決心だった。
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