魔王候補に選ばれたのに「絶対に魔王にならない」と宣言する主人公の頑なさが、この作品の全てを決めている。引きこもりで魔法も勉強も運動もできない唯野憐太郎の前に、自称コンサルタントのギャル・プリムラが突如現れて裏で暗躍する、という構図のコメディとしての勢いがいい。
レビューで触れられている通り、ポップでコミカルな会話劇のテンポの良さと、随所に漂う不穏さの同居が読みごたえを作っている。守護者を12人探すという王道クエストの体裁を取りながら、ASMRやシェアハウスなど現代的なネタを織り込む軽やかさも結生作品らしい。
魔王になりたくない主人公と、魔王にしたいコンサルタントこの噛み合わない関係性がどこに行き着くのか、まだ目が離せない一作。