「迷い犬(1)」を読んで、まず開拓惑星ベッフェルベリという舞台の解像度の高さに惹き込まれた。小惑星資源採掘で生計を立てる荒くれ者たちの気質、アームドスキンやフィットスキンといった装備の説明が自然に物語へ溶け込んでいて、シリーズ13作目という積み重ねを感じさせる密度がある。祖父ジェイルの背中を追いながらも自分の役割に迷うミレニティの内面描写が丁寧で、仲裁者ジャッジとして頼られながらもどこか居場所を掴みきれていない微妙な心情がよく伝わってくる。そして喧嘩の仲裁に飛び込んだ彼女の蹴りを受け止めたのが人間ではなく犬だったという結末の切れ味が見事だ。この「犬」が何者なのか、続きが気になって仕方ない。