「明日は絶対に晴れる」。
そう笑顔で言い切った翌日の土砂降りの待ち合わせ場所に、彼女の姿はありませんでした。
川沿いの土手で真っ白な飛行機雲を見上げながら、淡い友情以上の絆で結ばれていた誠也と祥。しかし、祥は被服を学ぶという自身の夢を叶えるため、誠也に何も告げずに突然海外へ留学してしまいます。
残された誠也が抱える行き場のない喪失感と、時を経て再び交差する二人の夢の行方を繊細な筆致で描いた、切なくも美しい青春ストーリーです。
日常の何気ない風景である「飛行機雲」を、二人の距離感や別れの予感、そして未来へと続く希望のメタファーとして鮮やかに描き出している点に深く心を打たれます!
突然の別れというヒリヒリとした痛みを伴いながらも、決して立ち止まることなく、それぞれの夢に向かって進んでいくひたむきな姿に自然と勇気をもらえます。
短い文字数の中に凝縮された言葉の美しさと、確かな絆を感じさせる再会の瞬間に訪れる温かな余韻は格別です。
忘れられない大切な約束や夢があるすべての人に、そっと寄り添ってくれる感動の傑作短編です。