もう一度、最初から

数ヶ月後。


別の街。


地下。


また、同じようなテーブル。


同じような空気。


同じような“匂い”。


タケルは座っている。


ディーラーがカードを配る。


音が、やけにクリアに聞こえる。


周りには、知らない顔。


だが。


一人だけ。


見覚えのある影。


遠くの席。


笑っている男。


足を引きずりながら。


――シュン。


もう一つ。


柱の影。


煙草を咥えた男。


肩に、わずかな違和感。


――リョウ。


そして。


もう一つ。


視線。


感じる。


振り向かない。


だが分かる。


――カズマ。




タケルは、カードを見る。


ゆっくりと。


そして、笑う。


ほんの少しだけ。




「……まだやるか」


誰にともなく呟く。




カードを置く。


勝ち。




だが、


それが“本当の勝ち”かどうかは、分からない。




最初の夜。


あの部屋。


あの違和感。


あの沈黙。




すべては、まだ続いている。




このゲームに。


終わりはない。




――だから、もう一度、最初から。

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ギ ャ ン ブ ル たなか @kanata205108

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