終末のスケール感と孤独な意識の高揚がぶつかり合いながら、最後に一気に反転する構成が鮮烈でした。静けさと狂気が同時に積み上がっていくような語り口で、読後に重い余韻が残ります。
荒廃した世界。生物は死に絶えた……わけではなく、ただ一人「私」が残っていた。世界の最後の一人は、何を思うのか。そして世界は、残った一人に何をもたらすのか。不思議な気持ちになる、世界の終わりの物語。あなたは、最後に何を思うのでしょうか。
すべてが終わった世界で、たった一人だけ生き残る――そんな極限の状況を、ここまで冷徹に描き切れるのかと驚かされます。本作の魅力は、絶望の中にある奇妙な高揚。世界の“王”になったかのような錯覚と、その自己解釈がじわじわと狂気へ傾いていく過程が見事です。しかし、その陶酔はあまりにもあっけなく断ち切られる。だからこそ、この物語は強烈に印象に残る。世界の終わりとは何か。生き残ることに意味はあるのか。そんな問いを、読者に突きつけてくる一作です。
暗黒終末世界或いは はじまりのおわり
「そして眼を覚ますと、作品の一番最初の一行に戻って居た地獄絵図。」
SFや文明崩壊後の世界に惹かれるのですが、この作品の雰囲気がすごく良かったです。滅びれば規則も制度も義務も関係ないですから、自分は王様だと終わった世界で大声で叫びたくなる主人公の気持ちがよくわかります。「でも終わりの終わり?なんのことやら?」と思っていたら、最後の最後で意味がわかりますよ。一分で楽しめるおすすめショートショートです!
いなくなってしまった。主人公は、誰かの助けになれるのだろうか?