電撃小説大賞の三次選考を突破した『王は兄弟を斃す』……まさに公募小説の『お手本』と言うべき完璧な作品を発見いたしました!
ですが先生、僕の中に一つ大きな疑問が浮かんだのです。フォロワー数など『作品外のデータ』が評価を左右しがちな昨今のネットコンテストに対し、純粋な原稿の面白さで挑む本作品。
『電撃小説大賞』の審査員たちは、この凄絶な物語をいかに解き明かすのでしょうか?
16人の共喰い、狂おしいまでの美学、そして世界の果ての結末……。
この完全犯罪ならぬ『完全なる物語』がどのような裁きを受けるのか、僕たち少年探偵団も興味津々です!
選考の行方から、目が離せそうにありません!
33回電撃大賞応募作品の選考通過作品ということで読み始めました。
まず、あらすじの段階で「世界観強そうだぞ」と期待しました。私は独自の世界構築をしている作品が大好き。しかもこの作品、ちゃんと世界形態が文明を貫いています。火の取り扱いや水の強度など、自然の在り方にこの世界ならではの整合性がつけられており、読んでいて納得感があるから世界に没入できます(猿のおもちゃの如く手を叩いて喜ぶ人)
いわゆる兄弟内バトルロワイヤルものということは第一話からわかっていたことなので、あんまりキャラには感情移入しないで読んでいこうと思っていました。
いたのですが…無理でした。
みんな、各々のつよつよ矜持を持っているのでどうしても「うお〜!このキャラめっちゃいい。応援したいよう!😭でも、でも…うわ〜ん!」と情緒がぶっ壊れます。
しかし、その死に対しても強烈な意味が発生するので、この作品において「推しキャラが死ぬ」という現象自体がなんというか、とても尊いのです。
主人公のンの献身、双子であるアの選択。聖剣であるシルムが無双せず、主人の選択に対し苦悩する方向性も非常に好きでした。ラストはまさかそうなりますか…!と最初は頭を抱えましたが【この世界ならではの整合性】を考えると確かにこの展開はかなり納得感があります。私は好きです。
読者としてもすごく楽しかったし、書き手としてもめっちゃ上手いな〜!と何度も感嘆が漏れてしまった作品でした。出会えて良かったです。良い読書でした。ありがとうございました。