志草先生の、コンテスト直後の新作は、不条理と見せかけて、
非常に風刺の効いた、落語のようなお話だと思いました。
なんでしょうな。それが悪いってんじゃあないのですが、どうも人間というのは、
口ではどうこう言いながら全体主義になりがちと言いますか……
ようは流行りに依存する体質なんでしょうな。
現実世界でも似たようなことは起こるわけです。
例えばケバブ。
例えばタピオカ。
例えばヤンニョムチキン。
例えば麻辣担
流行ったと思ったら町中それの店が立ち並ぶわけです。
イヤそれは食い物の話だから。じゃあライトノベル界隈はどうだ? ってなると、
もうご覧の有り様にございまして。
夏が近づけば日本中の祠が破壊され、一個飛び抜けるとその一個が金になるってんで、『書かせる側』も煽ってくるわけですな。
なんだか世間ってこうやって回っているんだと思いますよ。
さてマクラが長くなりましたがそこでこの作品。
本作品は、ゼッテー流行らねえだろこんなテーマ! と一般人なら思ようなテーマを、
某ライトノベルサイトが募集をしており、
そんな一般人が審査のために『流行り物』の小説に触れる。
というお話にございます。
なるほど物事は俯瞰で見ないといけないんだなあ。とは思うのですが、
我々のやってることって一般の方から見ればこうなのか……と考えさせられる一方でね!
やっぱりなんで、それが時代背景的に流行ったのか、追求し続けないといけないと思うのですよ。個人的は。
今回もワードセンスと視点の切れ味抜群にございます。
読むときは、周りに気をつけてご笑覧あれ。
ご一読を。
本作を読み終えた後、あなたはきっと叫ぶだろう。「もふぺそ!」と。
まさに本作は、そう表現するしかない「感動」に満ちている。
そしてあなたは思うだろう。現在あなたが関わりを持っている「カクヨム」というサイトがいかに「まとも」なところなのかと。
本作の主人公である望くんは「よみかき」という小説投稿サイトで行われている「10題小説コンテスト」なるもので下読みのアルバイトをすることが決まる。
その中での「異世界にしとき部門」というものだけ応募総数が多すぎたため、選考委員が選考しやすいように下読みをすることになる……のだが。
その先で遭遇するカオスな作品。そして、そんなカオスな作品を書く者たちに神聖視されている「暗黒巨星ベガ」なる人物の書いたものを読むことに。
本作はとにかくそんな「作中作」のカオスっぷりに強烈なセンスが光りまくります。
ベガの書いた小説など、「ちょっと滑ったくらいでは常人が絶対に辿り着けないレベル」のカオスがあり、それをじっくりと味わえるのは絶対で他にはない読書体験になっています。
そして、「異世界にしとき部門」以外に開催されている部門の数々。「どこかで見たようなもの」に見えるのだけれど、そのことごとくが「こんなの誰も読まねーよ!」とツッコミを入れたくなるようなものに。
「よみかき」というものが存在するこの世界。この世界の小説はもう「末期」なのかもしれない。
そんなカオスでナイトメアでポストオフィスな本作、是非とも楽しんでいただきたいです。
そして叫びましょう。「もふぺそ!」と。
大学生の青田望は、「よみかき」という小説投稿サイトで開催された、「十題材小説コンテスト」の下読みアルバイトをすることに。
しかしこのコンテスト、部門自体も応募作品もハチャメチャで――⁉
カクヨム民なら腹筋崩壊必至、最初から最後まで笑いが止まらない大傑作コメディです。
作者様の卓抜したギャグセンスが、アルタイルもベガもビックリの輝きを放っています。
オチも最高! もうこれしかない!
こんなアルバイトなら私もやってみたいですが、終わったら正気を失っているような気もしますね。
そもそもコンテストに応募してみたい。「○○○○○」部門と「○○○○○」部門なら素のままでも書けそうです(『素のまま』って何や)。
えっ、出版社名にもサイト名にもコンテスト名にも、何だか見覚えがあるって……。気のせいですよ、気のせい。