第7話 少年

 その少年の代表作は、大人顔負けの出来栄えだった。描写、人物造形、世界観。代表作なだけあって、隙がなかった。


 彼は本格的に文学を勉強していて、主戦場は詩らしく、プロのご親戚から指導も受けているという。


 そんな彼がチオリの怪文書に、「◯◯以降久々にこの系統の詩を見た。最果タヒを思わせる」と書いてくれたのだ。田中とチオリを足したら最果タヒ味が出る。小説すら書けないのにまして詩なんて、と思ったが、チオリは少年の言葉を信じて、詩の専門投稿サイトに応募した。結果、三作が佳作となった。少年の勉強と審美眼は本物だったのだ。


 少年にお礼を言いたかったが、彼は、「自分にはチオリさんのような社会人経験が必要なものはまだ書けないので修行してきます」と言って、カクヨムを去っていった。彼ならきっと、日本に名を残す作品を生んでいくのだろうと思う。

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