朝、アラームは聞こえている。時間も分かっている。なのに動けない。「あと5分」と思った瞬間、なぜか布団が最高になる。
そんな経験を、笑って済ませてきた方に読んでいただきたい一作です。
この作品の発想の勝利は、「あなたのせいじゃない、妖精のせいだ」という切り口を、ギャグとして成立させながら、どこかちゃんと救いにしているところだと思います。主人公と内神安子さんのテンポのいい掛け合いが軽さを担保しているから、説教に聞こえない。なのに刺さる。
クスッと笑いながら読んでいたはずが、気づいたら「自分もそういえば……」と思わされている。その引き込み方が上手いです。
一行一行が短くて小気味よく、漫才を読んでいる感覚で、気づいたら最後まで読み終わっています。
「5分だけのつもりが、最後まで読んでしまった」という読後感も、たぶん妖精のせいですよね。