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概要
飛ぶのは、帰ってくるためだ。
大地が空に浮き、下から白い霧が湧いて雨になる。光は白から青へ沈み、黄、赤、黒へと移る。空は海のように重なり、上はゆらぎ、下は荒い。となりの大地は見えるのに遠い。人は鳥の背で渡る。けれど少年ソラは、人の手で翼をこしらえ、見える先へ行こうとする。森を当たり前だと思っていたモトリは、ソラの手元に夢が重なるのを見て、いつのまにかねじを締め直し、何度も試し、気づけば帰り道を決めていた。空は意地悪で、ひとりだと支えがない。だから二人で飛ぶ。飛ぶ前に帰る道を決め、帰ってくるまでが飛びになる。淡く光る羽が現れると、空の流れが少しだけ変わる。巣を守る鳥の王――空の王は、いとおしげに命がけの問いを投げる。
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