「うしろめたさ」の正体とはなんなのか。そのことについて色々と考えさせられました。
主人公の遠野は高校受験を前にして、深夜に神社に忍び込むことに。
そこに鎮座している狛犬の目を削るという「罰当たり」をやってみせることになる。
しかし、同じクラスの柳瀬ケイとそこで鉢合わせになってしまい、自分の犯行が露見してしまうのではないかと怯えることに……。
「悪いことをした」と自分でわかっている。そういう落ち着かなさに主人公が苛まれている。
でも、その不安定な気持ちの正体は結局のところなんなのか。
誰かから罪を咎められるのではないかという不安から来るものか。だったら完全にやり遂げられれば不安は感じずに済むものなのか。
または、罪が罪ではないと認められれば、同じように不安から解放されるのか。
本作では、そんな少年の持つ心の揺らぎが柳瀬たちとのやり取りを通して描かれていきます。
でも、「後ろめたさ」にはもっと別の意味があるのかもしれない。法律とか社会とか人間が作ったルールとは別の「本能」から来るような何かが……。
最後まで読むことにより、そんな「言いようのない不安」について考えずにはいられなくなりました。