「主人公・エリザベスの顔がない」という衝撃的な展開から始まる物語。
読み進めるうちに私を捉えて離さなかったのは、本作の圧倒的な「人間描写」の深さでした。
本作は、単なる勧善懲悪の枠に収まりません。
理不尽な婚約破棄を突きつけたクラウスの真意、そして大罪を犯した妹ソフィアへの、厳しくも救いある眼差し。すべてのキャラクターが記号ではなく、血の通った人間としてそこに存在しています。
特に、クライマックスで対峙するラスボス・ペイルトゥナの矜持と一本筋の通った在り方には、敵役ながら惚れ惚れとする魅力があります。
作者様がすべての登場人物を慈しみ、誰一人として単なる「悪役」で終わらせない。その筆致からは、物語に対する誠実さと愛が溢れています。
「本当に面白い物語が読みたい」と願うすべての人に、今すぐ手に取ってほしいと心から願う一作です。
エリザベスの再生とアルフォンスとの甘い生活が、より多くの読者に届くよう応援しています!