魔女狩り
水を得た魚
第1話 日常 1
「さあ、手を合わせて。光の教会が安泰である事を願って」
そう言って教師様が目を瞑る。
その言葉を聞いていた人も目を瞑る。
その中に、私もいた。
洗礼が終わり今日の買い出しにために市場に行く。食べ物、服ここには何でも揃っている。
「おい、聞いたか。最近、全然魔女狩りが上手くいってないらしい」
「らしいな。魔女どもが引きこもって探すのが大変って聞いたぞ」
酒場で2人の男が話してる。こういった情報収集も私の仕事だ。
「最近見つけた縁海の魔女はどうなたんだ? 結局、逃げられたのか?」
「そうらしい。だが、光の教会は、意地でも見つけるつもりらしいぞ。最近、魔女狩りの予算を増やしたって噂で持ちきりだ」
それから2人は政府の悪口などで盛り上がっていた。
ここには得られる情報がないと分かると、荷物をまとめて家に帰った。
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「ただいま。食べ物とか買って来たよ」
ここは森の奥深く。人が寄りつかないようなところに彼女は住んでいた。
「ああ、いつもありがとう」
ベッドから起き上がり、片目を眼帯で隠している女性が言った。
「キイラさん、無理しちゃだめだよ」
また、ベッドに戻した。
「俺もこんなのになっちまった。情けないね」
「うんん。情けなくなんかないよ」
キイラに命を救われたのは、私が十歳のときだった。
その時の記憶は、あまりない。
今日買ってきた野菜で、晩のシチューを作り初めた。
シチューが完成し、2人で食事をした。
「ところで、最近魔女狩りの動きが変だ。なにか知ってるか?」
「ええっと、確か、魔女狩りの予算を上げるとか言っていたような」
と曖昧に答えた。
「そうか」
キイラは暗い顔をした。
「我々魔女は、あと何人残っているのかな」
「わかんない。どれだけ、人に魔女が殺されたのかも。けど」
と、まっすぐ澄んだ瞳で言った。
「私は、魔女と人間が仲良く暮らせる世界を作るの。どれだけ時間がかかってもこれは変わらない」
大きく深呼吸をし、自分の心臓の高鳴りを抑えた。
「だから私は、あの本を見つけ出すの、魔女と人が、一緒に暮らしていた事が書かれているあの本を」
キイラは少し困ったような笑顔をした。
「そうだね。その夢が叶うまでは、死んでいられないね」
遠くの方で教会の鐘の音が響いた。
魔女狩り 水を得た魚 @momizigari
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