4.
--ここは、どこだ?--
--誰も、いない--
--俺は、名無しと呼ばれる男--
--向こうに誰かいるな--
--あれは--
--あれは--
――○○○様――
--
気が付くと何かのベッドで寝かされていた
夢か
そしてここは、何処だ…?
レイはいない
俺が一人だけで女性や男性はいない
どうもまた俺が一人でどこかに居るようだ
見回してみると今度は何かの建物の前で投げ捨てられたように俺は寝かされていたようだ
目の前の建物は少し古いようで中に入れそうだ。ここでこのようにしていても仕方がないので中に入る事にした。
ドアは既に開かれていてそのまま中に入れた。
中は外観とは意外に活動的だった。簡素だがよく使用されている形跡がある。
どうやら医療場であるようにも見える。
少し向こうに何者かが居る。
…女性とレイ達だ。
向こうもこちらに気が付いたようでおいでとサインをする。
どうやら俺達はここで生態を調べられたらしい。
そして実はあの長身の男から逃げていたという。その為に施設を出た。
俺達はあの男から捕獲の対象にされていると言う
魔王討伐の為にというのは彼女らの口論だろう
「だって既に君達にはその力があるのだから」と言われた
診られたのは俺達の身体の健康。
何処も異常無し。
彼女達は俺達を助けてくれたのか。
あの男の正体はまだ教えてくれない。俺達を捕獲して一緒に行動をしていた振りをして上手く騙していた
俺達はこれで助かったのか?
それにしては疑問が消えない。レイとは何者なのか
そして力が既にある、とは…
マカラ「来るわ」
何がだろうとは思ったが何となく予想が付いた。
恐らくは俺達を敵だと認識をする存在だろう
眠ったお陰で気が回復をしている。
フリー「貴方達は下がっているんだ」
レイ「……やっぱりそういう存在なんだろうなあ よし。俺も手伝うわ」
レオン「君達の力を見せて貰うぞ」
俺は気を集めて両手を胸の前に出し、持ち手を創り、両側に両手を伸ばした
武器の完成だ
レイは拳を突き出して構えた
暫くすると建物の入り口から
---『敵』だ---
外見は断定的に形となっていない。何かの生命が亡くなった死体がそのまま腐敗をした後に蘇ったようにも見えるがどれも彼も形となった形をしていない。目や口などの顔の部位が不特定的に散りばめられたように付いている。
武器を手に持ち こちらに来るのを待つ―――
レイは両拳を構えてあの者達がこちらに来るのを待つ
ゆっくりと構えてあれらが来るのを待ち、軈て来たあれらの身体を目掛けて武器を振る
喉からの悲鳴を上げて倒れた。レイは両拳をそれに目掛けて打って放った。それは身体に穴が軽く開いて地に伏した。
残りは数体だ
同じように拳や武器を振るって倒し、戦いは終わった
マカラ「かっこよかったわよ。二人とも!」
フリー「このような存在が現れるに至った経緯を存じはありますか?」
マカラ「前に、私達があの人を騙していたという話をしたね?」
フリー「はい。あの会話…… 俺達が聞いていたのも二人の策ですか」
マカラ「よくそこまで分かるよねえ あの人に聞こえるように二人を保護して様子を見る、と言ったのよ。」
レオン「本当はこのように君達を保護して…… ………………」
何だろう?その先の言葉が無い
もしかしたら俺達はとんでもない存在と対峙をさせられようとしているのかもしれない
表現の出来ない恐怖が身をほんのりと伝った
フリー「旅に出させられる事は間違い無いんですね?」
マカラ「まあまあ。私達も同行するわ。」
レイ「……。」
フリー「街並みのような所へ行けたらいいかなと」
レオン「おお、マカラが顔を真っ赤にした。君、賢いよなあ。」
フリー「ううん。純粋なのは良いことです。大人の女性なのにいい意味で抜けています。」
俺は女性に近付いて彼女の耳にそっと呟いた
『では、行きますよ。お姉さん。』
「この島の近くに街のような場所があるでしょう?」
「そこが行き先です。」
女性が顔を赤らめてこちらの言う事が何も理解していないのを知覚しながら俺達は建物の外にレオンが用意をした乗り物に乗る
フリー「俺達の容態は知れましたか?」
レイ「結構腕になるでしょう」
レイがハッとしたような感じで助言を加えてくれる
レオン「あそこまで腕が立つならいいと思う。これから行く街は君達が好きそうな街だ。」
フリー「それは楽しみだな…。では、のんびりと車内観光をしたいと思います。あと、あの建物には二度と戻らない方がよさそうですよね。」
レオン「!!」
彼の眉が強張った
当たり、か……?
レオン「………… 君も、そう思うのか……?」
フリー「はい。同じくそう思います レオンさんがそのように思っていたのであれば、ほぼ確定かもしれないな」
レイ「もしかしてあの場所、既に見つかっていた……?あの男の人に」
フリー「それは分からない」
レオン「分からないんだ」
レイ「まさか不法侵入していた?あそこは誰かの場所だったの。」
レオン「俺達の会社の人だよ。」
レイ「そんな。レオンさん多分騙されてる」
レオン「かもしれないな。」
レイ「だからあそこには戻らないと」
レオン「分からない」
フリー「流石に分からないよ。レイ。ここで今は終わりなんだ。」
マカラ「今は君達を優遇させる所に行くからね。それで気を落ち着けて。」
こうして車内観光は穏やかに続いた
よく景色を見てみると自然も多いが海も見えて建物も所々あって、文字がアラビア語や英語、中国語のような漢字文字が主体となっているようだ。
フリー「この島はそもそも太平洋の中にありますか」
レオン「」
口を閉ざしている
どうも言えないようだ
体感としては温度は丁度なくらいだった
ということは、北過ぎず南過ぎず
といったところだろうか
俺は約一ヶ月程眠らされていた…
その前までは五月上旬だった 遂に暖かくなるか、といったところだった
今は六月中頃だと大凡に見る
少なくとも、赤道線の近くでは無さそうなイメージも湧く
しかしただ範囲が広い
………………
流石にこれだけでは予測が付かないな
何気に窓から見える景色を眺めていた
まさか地図には無い島か?
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