一分の百合花

宮吉 龍

こたつ


「10月、世界がほろんじゃうから」


「そう? でも、こたつを置く理由にはならないよ、手伝って」


「えー、一人でやりなよ」


「私だっておもいんだから、それにほら、いままで頑張ったね~休みな~って、こたつも疲れてるよ」


「いいじゃん、疲れさせてれば、どうせ、あっためないし」


「んー」


「そんなことより、夏みかん食べよ」


「んー、えー? まあ、食べるけど」


「いいね、みかんは食べられるためにあるんだから」


「まあ、うん、みかん好きだし」


「そうだね」


「でもさ、もし、来年まで遊べたら、こたつ、つかれたまま、かわいそうだよ?」


「つゆちゃん、それはないよ」


「わかんないじゃん」


「こたつは疲れないからね」


私たちの笑い声が部屋に響く。

ずっと、笑えたらいいなって、そう思えた。

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一分の百合花 宮吉 龍 @oobayasiutimata

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