桃華の日常
アガペエな呑兵衛
第1話 目が覚めると
朝、目が覚めていつもと同じにトイレに行き、洗面台で顔を洗おうと思ったら
頭に角が生えていた
数分間、あれこれ角度を変えて確認して見たけど、やっぱり角だ
触って見ると、ちゃんと感覚も有る
しかも、なんだか角を触ると気持ち良かった
顔を赤くしてダイニングへ向かうと、祖父を呼ぶ
「じいじ〜、角生えた」
「あ?」
朝食の卵焼きを焼いていた祖父は私の頭を見て固まった
「何だそりゃ、ハロウィンの仮装か?」
「知らない、朝起きたらこう為ってた」
「こりゃあまた、立派な角だな …… 」
祖父は私の角の生え際を確認する
「ちょっと、乙女の髪の匂い嗅がないでよ」
「角がどう生えてるのか見ただけだ、お前みたいなションベン臭い小娘なんぞに興味無いわ!」
「ひっどーい!セクハラだぁ!!」
「あと60年ほどしてから考えてやる」
一体、幾つまで長生きする積りなんだろう?
祖父はテーブルの上に朝食を並べる
「学校はどうする、休むか?」
「う〜ん、流石にこのままじゃ行けないよね」
「取り敢えず、医者に掛かるか … 」
「えぇ〜、なんか実験とかされそうじゃん、ヤダよ?」
「そんな事言って、ずっとそのままじゃ困るだろ」
「そりゃまあ、そうだけどさ」
「学校には連絡しておいてやる、少し様子を見る」
「明日になったら無くなってるとか?」
「どうだかな …… 意外としっかり生えとるでな」
朝食を食べ終わると、自分の分の食器を洗い、リビングへ向かう
普段見ない時間帯のテレビを付けると、朝からバラエティー番組ばかりで白けた
報道バラエティーって、報道したい内容じゃ無くてコメンテーターやら芸人やらが意味も無いトークで「間」を潰すだけなんだな
詰まらなくてチャンネル替えたら高橋英樹主演の昭和の時代劇の再放送が映る
あ、コレだ
アタシの角 ……
立ちあがって仏間を覗くと、壁に飾ってある「般若」の面と目が合う
小さい頃は、コレが怖かった
般若の面と同じ鬼の角が生えてるのか
こんな顔に為ったらどうしよう
「ひと~つ人世の生血を啜り、ふた~つ不埒な悪行三昧、みっつ醜い浮世の鬼を、退治てくれよ桃太郎」
テレビの再放送ドラマで若かりし高橋英樹が決め台詞を喋ってる
はぁ …… 何で鬼の角なんだろ
ドラマでもアニメでも、鬼は悪者じゃん
正義の味方に退治される側じゃん?
う〜
テレビを消すと2階の自室へ戻る
「取り敢えずカナにLINEしとくかなくちゃ」
同級生のカナを、何も知らずに駅で待ちぼうけさせるのは可哀想だ
『ゴメン、今日休む』
ピポッ
『どした、風邪?』
『熱は無いけど、お休みする』
ピポッ
『サボりかw
ウケる♪』
『また連絡するよ』
ピポッ
『おけまる
後でノート見せたげる』
『神じゃん♡』
ピポッ
『寝て早く治れ』
『ありがと』
ベッドに寝転がると、「鬼の角」についてググってみたけど、流石に角が生えた実例は見つからなかった
( 伝承とかじゃ、神様とかも在るのか …… 鬼なら何でも悪い訳じゃ無いんだな )
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます