第6話 牛乳

山本くんは牛乳がきらいです

となりのせきにすわって、すぐ気がついたの


ふたりとも給食をたべるのがおそいな

どうしてもきらいなたべものがのこり

ちびり、ちびり

なかなか減らないので、昼休みがきえるよ


すると、あっ、とふたりでさけびました

山本くんの牛乳がかたむいて

わたしのつくえのうえにながれたの


木の机をあげると、教科書にも染みていました

ご、ご、ごめんな……

あやまってくれました


でも、あやまらなくても、そのかおつきが

なんども悪いことをした、こうかいしてるって

いっているんだよ


こころはもうかなしみでいっぱい


わたしはあわてて、本をふきましたが

よれよれで、かわいてくるとにおいました


五じかんめ、山本くんは教科書をわすれてきました

いっしょにみよう、ふたりのまんなかの本は

もうかわいてしまってずっと牛乳の匂いがしていました

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文集 tokky @tokigawa

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