あの……AI作家って、誰のことですか? 〜私の2025年、最大の勘違い〜

あいお明

第1話

 ◇


 まず、AI作家とは。


 “文章生成AI”と呼ばれるWebウェブサービスを使って、小説を書く人のことを指すそうだ。



「特に、だけれど。本文書くのをAIに丸投げして、実質“無所属フリーの編集者”になってる人たちが、やたら『AI作家』って名乗りたがるのよね」



……という説明を友人から受けて、私は


「へぇ〜、そうなんだ……」


と感心していた。



 私が「AI作家」という語感から、とんでもない勘違いをしていたからだ――――



 ◆


 一般に、作家とは何かを作る人のことだ。特に小説・イトノベ・・ルなどの文章を書く人たちを指すことが多い。



 しかし、それだけではない。


「映像作家」

「人形作家」

「折り紙作家」


など、文章以外の作品を生み出す人にも使われる。



 だから私は、初めて「AI作家」の4文字を見たとき


「人工知能(AI)を作る、技術者さんたちのことかな?」


と思ってしまった。



 幸か不幸か、この誤解はすぐに解けた。

 その時読んでいたのが、


「生成AIと、小説の未来」


について論じた文章の一節だったからだ。

 そこに突然“技術者”が出てくると、意味が通らない。だから


「違う、そうじゃない」


と分かった。



 だが同時に、私は今年(※2025)最大の勘違いを犯してしまう。


「そうか、AI作家って小説書くAIのことか!」


という勘違いを。



 え? 「そうはならんやろ!」??

 なっとるわボ◯ェ !!



……おっと失礼、お見苦しいものをお見せしました。



 ◆


 私がそう勘違いした理由は、2つある。


 ①納得感に負けた私が、「AI作家」の意味をよく調べなかったから

 ②その文章では「AI作家」の定義が曖昧だったから


 どういうことか?



 さっきも書いたが、AI作家とは


「“文章生成AI”と呼ばれるWeb(ウェブ)サービスを使って、小説を書く人のこと」


のことだ。

 しかし私が読んだ文章は、それをもう知っている人・・・・・・・に向けたものだった。



 だから、あの時の私みたいに、知らない人が読めば


「生成AIを使って、小説を書く人のこと」

「小説を書くAIのこと」


どちらの意味にも取れる文章になっていた。



 加えて、私は私で油断していた。

 1回別の勘違いをしていたから、


「そうか、AI作家って小説を書くAIのことか!」


と納得してしまったのだ。勘違いなのに。



 そして、一旦納得してしまったことを疑うのは難しいものだ。



 ◇


 それからの私は、しばらく幸せに暮らせた。友人にツッコまれた、あの日までは。



 夢のような日々だった。10代の頃に読んだ小説が、そのまま現実になったかのようで。


「『AI小説が投稿サイトの1位になった』!? 凄いね、AIって投稿までできるんだ!」


 そこまでできるわけなかった。けど、私は気づかなかった。



 気になって、その小説を読んでみた。


「ヤバい、文章上手い。絶対私より上手い。 ……いや待てよ? ◯阪弁じもとべんならまだ……」


 そうして、男もすなるAI……を、私も使ってみた。


「……AI凄い。大◯弁も上手い。凄い時代が来た……!」



 興奮覚めやらぬまま、あの友人に電話して。そしてあの日を迎えた。



 享年、25分――――



 ◇


「まったく……何が“Thisこれ is historyでんせつだ!”よ。しっかりしなさい、この酔っ払いが !! 」

「すいませんでした……」



 電話越しに叱りつけてくる友人の声が、変に震えていた。

 堪えきれずに噴き出した私は、悪くないはず。なのに笑われた後、また叱られた。



 なんでェ……?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あの……AI作家って、誰のことですか? 〜私の2025年、最大の勘違い〜 あいお明 @iolite_696

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画