第15話

第5話はこちら!(猫の耳毛さんです)

https://kakuyomu.jp/works/16818792440673859527/episodes/822139837361785367


最初から見たい方は…まとめサイトを参照ください!

https://kakuyomu.jp/works/16818792439757544319


それでは活動自粛中の詩が第15話を送らせていただきます()

お楽しみください〜!


✎︎______________


「……すみません、うちの妹が勝手なことして」

「いえいえ、大丈夫ですよ。可愛いですね、妹さん」


 俺より頭一個分上で微笑むそいつは、なんだか正直薄気味悪かった。

 イケメン、というのはまさにその通りだと思う。顔のパーツも整っているし、細すぎず太すぎずのモデル体型。……宵華は、こういうやつが好みなのか。

 でも、ニコニコしててなんだか本意を探れないというか……なんだろう。こいつは、心の底から笑っていないような気がする。

 ……って! 今こいつ自身のことなんてどうでもいい! 俺が知りたいのは、こいつと宵華のつながりだけだ。


「俺、あの子の友達の東雲です。あいつと何かあったんですか?」


 宵華の方を指さして言う。目つきを鋭くした俺に、「お~僕、めっちゃ警戒されてるなぁ」なんて呟きつつ、その端麗な唇をそいつは開いた。

 小さく、俺にしか聞こえない声。


「……ねぇ、虹斗くん」

「!?」


 ……名前、何で知ってるんだ?

 困惑の表情を浮かべて後ずさる俺に、そいつはまた一歩近づく。

 おもむろに右手でパーカーをかぶり、その表情が俺だけにしか見えなくなる。口角をニタッと上げたそいつは、俺の耳元に囁いた。


「覚えてくれてないんだね、僕のこと……残念だな」


 ……お前は、誰だ。

 口に出なかった。俺は臆病者だ。俺は、役立たずだ。

 『こいつは危険だ』って、心のどこかが叫んでた。だからこそ、俺はこいつが誰かを突き止めなきゃいけない。

 なのに、言うことを身体が聞かない。

 動けよ、俺の身体……なんなんだよ、くそっ。


「……虹斗?」


 いつも通りの……、春渡の声が聞こえた。

 ……なんでだよ。お前、こっちに気づいたのか? 無視すれば良かったじゃないか。お前、宵華のこと好きなんだろ? だから、俺の告白を邪魔したんだろう?

 だったらさ、せめて本気でやれよ。

 お前は良い奴なんだよ。嫌いなところだってあるけど、素直で、無邪気で、誰にでも優しい。

 お前なら、俺は良いから。もう、きっぱり、諦められるのに。


「……なんで、こっちに来た」


 春渡の胸ぐらをがっと掴む。「わっ、」と驚いたように声を上げる春渡を睨みつけて黙らせて、思いっきり叫んだ。


「俺なんかに構うなよ! お前は、お前が……」

「いやっ、あの僕は虹斗を見つけたんじゃなくて、あ、や、もちろんそれもそうだけど!」


 あわあわと慌てる春渡から手を離すと、春渡は「だって、あれ」とあの男の方を向いて、手をメガホンの形にし、叫んだ。


「ねぇ、すばるでしょ! 僕だよ、春渡! ねぇ、仲良かったじゃん、僕ら。昴だよね? なんか変わったし、身長もだいぶ高くなってるけど」

「……昴、なのか?」


 ……昴。

 小学校の頃、俺と宵華と春渡と仲の良かった四人組の一人。

 そんな、だって、昴は……


「……ごめんなさい、僕はそんな人知りません」


 一瞬こっちにちらっとった視線で分かった。

 昴だ。あいつは、紛れもない星河ほしかわすばるだ。何で今まで忘れていたんだろう。思い出せなかったんだろう。

 なんで、昴は……あんな風になったんだ?


「それじゃ、失礼します」

「……昴くん? 昴くんなの?」


 はっと振り返る昴。

 フードがはらりと落ちて露わになった顔から、感情とか、の昴とかが抜け落ちて、俺らの周りだけ時が遡ったように感じた。

 声を掛けたのは……他でもない、宵華。


「ねぇ……昴くん。私っ」


 彼女の前髪が割れて、美しい目が覗く。

 その美しさは……宵華の、決心だった。


「私、あなたのことが……」


✎︎______________


……めっっっちゃ変なところで繋いじゃったね!?

皆さんご安心ください。次のライター(??)はあの天才作家、ぴぽこさんですから!!!

https://kakuyomu.jp/users/pipoko


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Our Bond Novel Relay 〜私たちの絆が物語を紡ぐ〜 (詩side) 天照うた @詩だった人 @umiuta

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