Our Bond Novel Relay 〜私たちの絆が物語を紡ぐ〜 (詩side)
天照うた @詩だった人
第6話
第5話はこちら!(猫の耳毛さんです)
https://kakuyomu.jp/works/16818792440673859527/episodes/16818792440676670779
最初から見たい方は…まとめサイトを参照ください!
https://kakuyomu.jp/works/16818792439757544319
それでは第6話を詩が送らせていただきます。お楽しみください〜!
✎︎______________
「この前帰り道で、宵華姉ちゃん、不良から助けてもらったイケメンに顔っ真っ赤にしてたじゃん!」
「「「え…?」」」」」」
私、虹斗、春渡の声がぴったり重なる。さすがは幼馴染、といつもなら感心しちゃうかもしれないけど、今はそんな場合じゃない!
何を言い返そうかと私が口をパクパクさせている間に、虹斗と春渡が私の肩を両方からがっと掴む。
「「宵華、ほんとなの(か)!?!?」」
「うぅ~っ……」
私、そんな顔赤かったかなぁ。でも、私の頭にはどうしようもなくあの人の顔が張り付いてる。あの人の顔を思い浮かべるだけで、自然と頬が緩んじゃうの。
自分の頬を手で押さえる。……あれ、めっちゃ熱い。なんでだろ、収まんない。
「あ、あ、ごめん私、なんか体調悪いかもっ! 先帰るね!」
荷物を引っ掴んで逃げ出す。後ろからは
なんだかほんとにとっても恥ずかしくなって、「お邪魔しましたぁ!」と私は東雲家から逃亡……しようとした。
「おい」「ねぇ」
「え……!?」
「「帰り、送ってく(よ)」」
後ろには気づかぬ間に虹斗、春渡がいた。
「大丈夫です遠慮しときます!!」と大声で叫んで逃げ出したいところだったが、この前不良に襲われたときのことを考えると二人がいてくれた方が心強い。
「お言葉に甘えて……でも、二人のどっちかでいいよ?」
「じゃあ春渡、お前が帰れ」
「やだよ! 僕が宵華を送ってく! そっちの方が絶対いいよ!」
「いや、俺が送る」
……なんだか喧嘩の予感。
「や、やっぱり二人ともにお願いしよっかな」って言うと、二人は不満そうな顔をしながらも頷いた。
隣に人がいる帰り道は心強かった。安心できた。やっぱり二人の隣は心地良い。
……だけど、あの人の隣にいたいって思っちゃう私がいる。
「宵華」
「……ん?」
虹斗がいつにもなく深刻な口調で私の名前を呼ぶ。
「宵華は、その、この前助けてもらったイケメンのやつ……どう思ってんだよ」
「どう思う……って、そんな、わかんないよ。一回会っただけだもん。また会えるかもわかんないのに」
「じゃあ……そいつのことが好き、とかじゃないんだな」
「好き!? え、いや、あの……」
……『好き』。
心の中でもう一回呟く。好き、好き? だって私たちは一回会っただけの関係で。また追うことだって多分なくて。きっと〝運命〟なんて洒落たものでもない。
でも。
あの人に助けてもらったとき、どうしようもなく胸がドキドキして。怖かったはずなのに、何か温かいものが身体に広がって。もっと、あの人のこと知りたいって思って……。
これは、恋、なのかな? 名前も、年齢も、何もかも知らない相手に?
いや、ダメだ。これは恋じゃない。
私に、あの人を好きになるなんて資格、ない。
「……違うよ。もう、そんなわけないじゃん!」
「そーだよな。……良かった。宵華、ちょっと手貸せ」
首を傾げながらも右手を差し出す。すると、虹斗は左手を私の手に重ねて、指と指を絡ませ始めた。
……ってこれ、恋人つなぎってヤツじゃないの!?
「ちょっ、虹斗!? 何やってるの!?」
「……いいだろ、あいつが好きじゃないんなら。もう少しで宵華ん家着くし」
「春渡ばっかりずるい……宵華、僕も!!」
あれよあれよと言う間に私の左手も春渡にロックされ、身動きがとれなくなる。その状態で家に帰ってきた私をお母さんが生暖かい目で見つめ、少し泣きそうになった。
繋いだ手は温かかった。二人の間の空間が心地よかった。
……でも、やっぱりあの人の横にいたいと望んでしまう私がいた。
✎︎__________
ここまで読んでくださったあなたに最上級の感謝を!
本当にありがとうございます!!
次回はぴぽこさん!
https://kakuyomu.jp/users/pipoko
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3日後に更新の予定です。
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