第3話 主人公の幼馴染
6月1日の早朝。
目覚めた俺はランニングを始めた。
ゲームの中では平日は1人1回しか行動を選択できなかった。数時間のプレイ時間で高校3年間を楽しむための、実にゲームらしい仕様だ。でもこの世界は現実だ。1日に1回だけの行動ではもったいないじゃないか。
俺はとりあえず、朝はランニングと剣道の稽古。学校にいる時間は勉強。放課後は部活。夜はひたすら鏡の前で美容に精を出すことに決めた。
――あーでも6月末には期末試験があるから、夜は美容と勉強半々だな…。
微妙に計画を修正しつつ、ランニングと稽古に精を出すのだった。
◇
家に戻り、シャワーを浴び、自分で用意した簡単な朝食を食べ、学校へと向かう。学校の正門を抜けたところで前を歩いていた主人公一向を見かけた。周りから羨望と嫉妬の眼差しを一心に受けている佐藤湊は、両手に花どころか、クレオパトラ、楊貴妃、小野小町も裸足で逃げだすような美女を3名引き連れて、ハーレムよろしく楽しげに登校していた。
さて、まぁ、モブであるところの俺が彼らの紹介をするとすれば、こんな感じだろう。
まず主人公こと
――そりゃそうか。プレイヤー次第で化ける主人公なんだから、初期値はこんなもんだ。
次にヒロインたち。
1人目は、先日部活でコテンパンにされた女の子、
2人目のヒロインは、
ゲームでは、主人公の育成に失敗すると高い確率で一色萌と結ばれる。この子に振られるとなると、それはもうバッドエンドだ。
そして3人目のヒロインが、派手な金髪のツインテールを三つ編みしている彼女、
と、この3人の女の子が、前世でプレイした恋愛ゲームのヒロインで、主人公佐藤湊のハーレムである。
――うん、けしからんな。うらやましい。
そんなことを事務的に考えつつ、上履きに履き替えて教室に向かうのだった。
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