第2話 目標
前世ともいえる記憶では、
じゃあ、この世界で俺はどうするか。どうするべきか。正直、恋愛ゲームの世界といえど、あまり恋愛には前向きではない。
というのも、俺には親がいない。幼少期に捨て子として預けられた施設育ちの孤児だ。今は国と後見人から補助を受けて1人暮らしをしているが、そんな人間が恋人など、相手からしたら迷惑だろう。そんなことを思っている。
――だけど、恋愛をしないにしても、せっかくある種の攻略法を知っているわけだから、使わないのももったいないよな…。
この恋愛ゲームの特徴として、平日は1日1回、土日祝日は朝と昼の2回、行動パターンを選択して、その行動により自身のパラメーターが変化する。例えば勉強をすれば勉強のパラメーターが伸びて運動が少し下がる。逆に運動をすれば運動のパラメーターが伸びるが勉強が少し下がる。非常に単純だ。
それにより、主人公の佐藤湊が成長する。己を磨きあげて、ヒロインの理想を目指して告白するわけだ。
極論を言えば、四六時中野球をやっていればメジャーリーガーも夢じゃないし、ずっと鏡の前でカッコつけていればハリウッド俳優だって夢じゃない。
けれども、そんな単純なことで成長できるなど誰も思わない。16年この世界で生きてきた俺も、そんな事実を知らなかった。ごく一部のプロフェッショナル達だけが、知識ではなく感性と努力だけでこの頂に辿りついたのだ。
でも今の俺は――前世でゲームをプレイしていた俺は知っている。やればやるだけ成長できる、この世界の理を。
――実際どうかは分からないけど、試す価値はあるよな…。
俺は悪い笑みを浮かべていたと思う。前世のゲームプレイでは辿りつけなかったステータス、オール「999」を目指してみるか。
俺は密かに努力を決心した。
――実際にパラメーターが目に見えるわけじゃないけど…試してみる価値はあるよな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。