美容魔法で異世界を生き抜く〜綺麗にした分強くなる《美容魔法》で悩みを解決していたら美少女達から追いかけられるようになった件〜
藤白ぺるか
第一章
第1話 美容魔法
「んっ、あっ……温かい……手触りが、心地いい……」
裸身の女性の体を両手で撫でるように優しく触れていたのは、一人の少年だった。
その手の温もりを受けていたのは、褐色肌に銀色の長髪、そして特徴的な長い耳を持つ、端正な顔立ちをした女性だ。
遠目から見れば、一見すべてが整った美しい女性。
だが、その体には深く刻まれた、消えることのない傷跡が無数に残っていた。
腕、足、お腹、胸……そして顔。
その体のせいで彼女は『呪われたエルフ』などと呼ばれ、故郷の里から追放されていた。
「あっ……そこはっ……くっ……あっ……♡」
彼女自身は魔法も扱う剣士であり、目的のため、戦うことを生業としていた。
だから、外見などどうでも良いと思っていたはずだった。
しかし今、彼女は自らの身体を美しくするため、少年の手に身を委ねていた――。
「――終わりましたよ」
施術を終え、ゆっくりと起き上がった彼女。
そして近くにあった手鏡を渡してあげると、自分の体を隅々まで確認した。
「あっ、あぁ……あぁっ……私の、私の顔が……体が……こんなに、綺麗に……っ」
かつての傷跡は跡形もなく消え、つるつるになった肌は、まるで細胞から生まれ変わったかのように光り輝いている。
以前よりも、遥かに美しく整った肌に、彼女の胸は喜びで震えていた。
感極まった女性は、目に涙を浮かべながら声を震わせる。
少年はその様子をそっと見つめ、一言だけ告げた。
「――だから言ったじゃないですか。ルディアさんは綺麗だって」
「ユーシ、ありがとう……ありがとう……っ」
感極まった彼女は少年を強く抱きしめ、その感謝を全身で伝える。
「ちょっ……胸がっ……!?」
「すまんっ……でも、私は、お前に感謝を伝えなくては……っ」
口元をわずかに震わせながらも、彼女は抱きしめる腕を緩めない。
「私は、自分で思っていたより、綺麗になりたいと思っていたのかもしれない……」
「女性は皆、少なからずそういう願望を抱えていると聞きます……本当に良かったですね」
明らかに少年より背の高い女性だが、少年はそんな彼女の頭をそっと撫でた。
少年が彼女に施したのは〈肌再生〉――この世界に来て授かった【美容魔法使い】のユニークスキル《美容魔法》の能力の一つ。
その《美容魔法》を使って、呪いが刻まれたような彼女の痛々しい肌を綺麗にしたのだった。
――これは、この異世界に召喚されるまで何も持たなかった少年、
――――――――
本作をお読みいただきありがとうございます!
本作は、『美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい』という★評価9000超えの僕の作品をオマージュし、舞台や設定を異世界ファンタジーバージョンへと大きく変えた作品になります。
▼美容スキルでクラスの女の子を可愛くしたい
https://kakuyomu.jp/works/16818093093856195010
本作も『美容スキル』と同じく、女の子たちを『美容魔法』で綺麗にしたり、コンプレックスを解消したりしていくのですが、違いとしては、施術による<えっちな要素>に加えて、冒険もあるお話となっています。
今回の主人公は『美容スキル』と違って戦います。
ということで、女の子を綺麗にしながら強くなっていく救済系異世界ハーレムファンタジー。
2話以降もぜひお楽しみください。
2話は同時公開しているので、すぐに続きを読めます。
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