恋愛フラグは折るために

さねざね

第1話 幼馴染


 俺、佐田涼さだ りょうには特別な力がある。とかなら良いんだろうけど生憎特にこれといって何かができるなんて事は無い。


「どうしたの?そんな顔して、なんか怖いよ?」


 声をかけてきたのは俺の幼馴染、宮ノ下愛乃みやのした あいのだ。

 容姿端麗、文武両道、才色兼備。

 どんな褒め言葉もこいつのためにあるんじゃないかと思うレベルには凄いやつだ。


「あー、いや、今日の夕飯何だろなって」


 我ながら下手な言い訳だと思う。


「怪しい、涼が考え事なんて珍しいじゃん」


 俺は今凄く悩んでいる事がある。それはまぁ男子高校生なら誰しも考えてる事だろう。

 そう、恋愛について…


「まぁ、ちょっとな」


 お察しの通り愛乃はモテる、とてもとか凄くとかでは足りない程に。男子だけでなく女子からも告白されているのを何度か見た。


 それとは対照的に俺はモテない、モテないのだ。自分で言ってて悲しいが事実だから仕方ない。


 成績は中の下辺り、運動は少し周りよりはできる方。外見についてはあまり触れられることもないからなんとも言えない。


「…い、おーい、聞こえてる?」


 ふと聞こえる甘い声


「あぁすまん」

「せっかく私が話しかけてあげてるのに」


 愛乃は少し怒ったように不満をこぼす。怒った顔も可愛いのは反則だ、なんて思いながら軽く謝りつつそれとなく時計を見る。


 それに釣られて愛乃も時間を確認する。


「休み時間終わるじゃん、じゃあ」


 さっきまでの怒りはどこへ行ったのか、自分の席にそそくさと帰っていった。

 少ししてチャイムがなり授業が始まる、正直結構無理して入った高校なだけあって着いていくのにやっとだ。


◇◇◇


ホームルームも終わり帰る準備をしていると。


「おーい涼、今から暇か?」


 と数少ない友人の上野太陽うえの たいように声をかけられた。名前の通りクラスでもいい意味で目立つ存在だ。


「何するかによる」

「友達なら何も言わずに付き合うもんだぜ、涼!て事でほら!行くぞ!」


 拒否権の無いまま俺は太陽含むクラスメイト数人に連れられ近くのファミレスに来ていた。


 「もうすぐ来るらしいから先なんか頼む?」

 「来てからでもいんじゃね?」


 何も知らされないまま話が進んでいる。


 「ちょっと待てい、何企んでる」

 「おいおい、企むなんて人聞きの悪い。お前の為なんだからな~」


 ふむ、大体予想はついた。


「…もしかして合コン、か?」

「おー!そうそう!彼女ほしいって言ってただろ?」


 いや、そうは言ったかも知れないがまだ高一だぞ。どんだけ人脈あんだこいつは。

 まぁいい、せっかくの機会だし彼女が欲しいのは本当のことだ。


「おーい太陽~!」


 見るからに陽の雰囲気を漂わせた女子が手を振る。


「お!来たか!」


 続いて数人の女子。


「って、え?涼?」


 聞き覚えのある声が耳に入り顔をあげる。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今回初の投稿なので至らぬ点があるかもしれないですが、暖かく見守って貰えると助かります。不定期更新になると思いますがなるべく飽きさせないように続きを出したいと思います。

涼のこれから始まる恋愛劇、楽しんで頂ければ幸いです

 

 

 


 

 

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