第2話 お隣さん

わたしは、植木の世話が趣味。

今日は、特にこの前買った植木の様子が気になる。


ついでに玄関周りの掃除もした。

《神野》

と書かれた表札が少し汚れていたので、綺麗に磨いた。


すると、お隣さんが家から出てきた。

新しく引っ越してきた人達だ。


《ドキッ…》


実は、わたしは 前に仲良くしていた近くの住人とトラブルを起こし、それからその住人は引っ越しをしてしまった。

周りからは、わたしが原因ではないかとウワサされているようだった。

その住人と初めて話したのも、植木をいじっているときだった。


神野「はぁ…。」

今度は上手く付き合っていけるかと不安になる。


すると、子連れの夫婦が話しかけてきた。

お隣さん夫婦「こんにちは。」

神野「あら こんにちは。」

小さな子が少し恥ずかしそうにお母さんのズボンをつまみながらお辞儀をした。

お母さん「はじめまして。隣に引っ越してきた間田といいます。」

そう言いながら、用意していた手土産を渡す。

神野「あら、どうも〜。珍しい名前ですね。カンダさん?」

旦那さん「あ、いえ。よく言われるんですよ〜。 マダと言います。よろしくお願いします。」

お子さん「マダだよ!」

こどもが、イラッとして言い返した。

神野「あら、マダさんなのね〜。こちらこそよろしくお願いしますね〜。」

わたしは少しニコッとして話した。

それから、

神野「今日はいい天気ね〜。植木の世話が楽しいわ〜。」と、話をした。

すると、隣の夫婦が 「素敵ですね」 とか褒めてくれた。

わたしは、お湯を沸かしていたことを忘れたことにして家に入った。


神野「ふぅ〜。なんか疲れたわ…。でも、おいしそうなお菓子持ってきてくれたじゃない…。うまく付き合えるといいんだけど…。」


そう独り言を言って、少し休憩をすることにした。


貰ったお菓子の包み紙を開けながら

お茶の準備をした。


仏壇に旦那の遺影が飾ってある。

神野「わたし、うまく付き合えるかしら…。」

旦那は何も言わなかった。


お茶を淹れ、菓子箱を開けると、

神野の好きなお菓子が並んでいた。


神野「あら、これはわたしの好きな…」

神野はなんだか嬉しくなった。


そうして、一息ついたあと、

また植木の手入れを始めた。


植木の手入れをしながら、

神野はお礼に何を渡すか考えていた。

好きなお菓子がいくつか思い浮かぶ。


神野は、2番目に好きなお菓子を渡そうと考えた。

そう考えているうちに、買い物に行くのが楽しみになった。

なぜなら、神野はほとんど外出をしないからである。


神野は、結婚して家を出ていった娘が教えてくれたネットスーパーを利用しているため、なかなか外出することがない。


神野は、住人とのトラブルがあってから、外出をすることが少なくなった。

それから、毎日植木の手入れをして、テレビを見て寝るという日々を過ごしていたのだ…。

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知らない人 patapata @BlowWind

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