Don't Let Me大きな玉ねぎ

@hanzou1959

第1話


(序)

私は、取引先の「〇〇スーパー」の惣菜売り場で、その女性ひとの横顔を見るなり、昔、夢中になっていた「RPG《ゲーム》」のテーマ曲が頭の中に流て。私の「ニューロン《脳細胞》」は「ダンジョン《迷宮》」を駆けめぐり、段々と深く遠い記憶へと・・・。

親戚・・・、

友人関係・・・、

「どこかで・・・。」

昔の恋人・・・、

子供の学校時代のPTA・・・。

「う〜ん」思い出せない・・・。

その時、彼女の胸のプレートの名前に「ピンポン」と頭の中で鳴るのを聴いた。

「〇〇さん、ですよね。」

私の声に、驚いた様に彼女はこちらを視た。

「昔、長野に住んでた、〇〇さん、ですよね。」

彼女は、キツネにでもつままれた様な(私の体型は狸であるが)顔をしていた。

「私、〇〇です。昔々・・・。」と言ったとき、彼女の顔から曇りが取れた。

彼女は約五十年前から、私の家の客間に掛けてある「アンディ・ウォホール」のシルクスクリーンの裏に隠してある、定期入れの中の写真の女性ひと。今でも、その顔は実年齢より若く、昔の面影を充分に残してい  


(中)

たかしは、大親友のつかさ何時いつも他愛もない時間を過ごすのが、この上なく楽しかった。二人は止めどないギターとか音楽の話などしていた。

其日の休日は、隆の部屋で政治まさはると3人「ラジカセ」で、お気に入りの「BEATLES」を聞いていたが、本日届いたばかりの「中3時代」を、隆は開き始めていた。

政治ハル、お前は「中3コース」だったよな。」

「うん、そうだよ。」

ゴールドのレスポールモデルのギターを弾きながら、

「お前ら、そんなんじゃあなく「ミュージック・ライフ」でも読めよ」とツカは笑って言った。

この頃の、各誌は「〇〇トリオ」とか「新〇〇家」そして「〇〇レデイ」などの「ニュー・スター《アイドル》」が表紙を飾っていた。

程なく「中3時代」を読んでいた隆は、「文通なんて面白いんじゃね。」と、二人の顔を観た。

*「SNS」どころか「携帯電話」の無い時代、若人ヤングの通信アイテムの一つが「文通」であった。様々な雜誌には、「文通ペンフレンド募集」の欄があり、恋人、友人、趣味、仕事、etc。

現代の「マッチングアプリ」さながらである。

「中3時代」の最後の方のページにある「文通ペンフレンド募集」のコーナーを見ていた、隆は「長野県飯山市〇〇〇〇」と書かれいたのに目を留めた。

隆達は、一年生の冬に二泊三日のスキー教室で「野沢温泉スキー場」に行ったとき二日目に泊まったのが「飯山市」のホテルなのである。(この時、隆は初めて「野沢菜漬け」を知った。お土産で買って帰って、あまりふだん褒めない父親が喜んだの憶えている。)

「この女性女の子にしよう。」心のなかで呟いた。

夕方、二人が帰った後に、隆は勉強机に向かい、妹からもらった「みなしごハッチ」の便箋に「中3時代」の年間購読の予約でもらったペンを戦わせていた。

幾枚かの敗戦しっぱいのち、完成したのは夕食の時間をだいぶ過ぎていた。

「勉強してたの。」と母にいに言われ、「うん。」と照れくさそうに返事をし夕食を食べた。

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