秋殼む
はらりはらり融け出した珊瑚は
ひらりひらり爪先の温度で
とろりとろり微睡む回路と
たらりたらりとそらになる
やがて幽霊の色になる
透明なぼくは透明なので
触れてすらもらえない いたみが
ゆるるる と鳴く
ごめんなさいを 呟く
しあわせ を再生する
たちまちきえた 夕暮れと橙
いなくなりたい、どこかへ
いなくなりたい、あのこのもとへ
虫にさえお断りされるガラス。
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