第4話生きる

朝の光が差し込む教室。

机に向かう僕の手は、まだわずかに震えている。

心臓の奥がざわつき、昨日の夢の影が消えない。


周囲の声が遠くに聞こえる。

笑い声や話し声が、まるで壁の向こうから届くようだ。

自分だけが別の世界にいるみたいだ 。孤独が、胸を締め付ける。


窓の外で、ふと濃紺の影がちらりと揺れた気がした。

あの蝶だろうか いや、夢だったのかもしれない。

それでも胸の奥が冷たく震え、息を整えようとしても、なかなか落ち着かない。


「今日も生きなきゃ……」

僕は小さく呟いた。

不安と恐怖に押し潰されそうになりながらも、僕はなんとか一日をやり過ごそうとする。

だが、胸の奥には、まだざわつく何かが残っている。

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