ふたぼせきめ のどのかたちをこわして
あなたへ
ひるがえっためろでぃらいんをみて。
きりきり音をならしながら回るおるごおるのしりんだあをみて。
おるごおるは私の喉には合わなかった、ぎちぎち鳴ったあとに、ぽんと一度だけこわれた音をだして、それきりなにも言わなかったじゃあありませんか。
あなたは私のぽんと鳴ったおるごおるの音をきいて、あら、僕より上手に歌うね、なんて笑いましたね。ころしてしまおうかと思った。
旋廻した手回しねじをながめて。
しりんだあの棘に捩じ曲げられて、おかしな音を上げる櫛歯をこわして。
あなたをあいしていた、あなたをしんじていた、あなたは私だけをあいさなかった、あなたはなにもあいしていなかった。
わたしはあいしていたワルツを踊れなくなった、うたをうたえなくなった、あなたをうしなった、でもあなたは元々わたしの手にあったものではなかった、いもむし、蛾、うじむし、蝿。
私のあたまに真鍮をはめ込んだのはなぜですか、私をおるごおるぼーるにでもしたかったの。後頭葉の内側からつぶれていっているのですって。このままだとあなたをわすれてしまう、まだあなたはしんでいないのに。
私のあたまにねじを突き刺したのはなぜですか、舞台に立って、くるくる回されるたび痛くていたくてしかたがない。頭頂葉は壊死していて、でも脳幹はまだしんでいないよ。
ぜんぶぜんぶ、ゆるさないでいてあげますから、早くここまでおちてきてください。こんなのどもういらないよ。
ぜんぶぜんぶ、ゆるされないまんま、なにもかもを奪われてこわれてしまうのが、あなたにはお似合いではないですか。あなたなんてもういらないよ。
のどのかたちさえこわして。楽しくうたえないのどなんていらないよ。
舞台に立っている私をみて。
のどのかたちをこわして。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます