あなただけのナイトになります。

夕日ゆうや

第1話 戦場

《機光兵器ラピス・ゲームスタート》

 VRMMOゲームの起動音。

「さ。始まったよ」

 ウキウキした様子の真緒まお

「ワクワクするね。まずはキャラメイクだね」

 集中する真緒。

「わー。いろんな戦い方があるみたい。わたしは接近戦かな」

 ポンポンとゲームの音がなる。

「さ。ゲームが始まるよ」

《真緒、出撃よし》

「真緒、機光兵器ラピス、行きまーす!!」

 巨大ロボットの射出音。

 空気を裂く音。

 戦場での発砲音や爆発音。

 機体がひしゃげる音。

「撃っちゃうよ~」

 真緒がビームガンの引き金を引く。

 ダダダ。発砲音が鳴る。

 着弾の音。

 真緒の機体が地面に着地する音。

 機械音が鳴り、モーターが駆動する。

 エンジンのうなる音が鳴り、メインカメラの起動音が鳴る。

 金属がきしむ音。

「おらおらおらおら」

 真緒の威勢のよい声。

 ビームの発射音。

 溶ける音。

 鳴り響く戦場での発砲音。

 空薬莢が地面に落ちる音。

 バーニアを吹かし一気につめよる。

 真緒は近接でのビームガンを放つ。ビームの発射音。

 爆発音。

「まだまだ」

 やる気満々の真緒。

「そこ」

 実体剣を引き抜く音。

 かすれる音。

 金属を溶断する音。

 ブッピガン。敵機が真っ二つになる音。

 金属が地面に崩れ落ちる音。

 後方から爆発音。

「きゃ、よくもやったわね。キミ、そっち」

 警報アラート音。

 後方から敵機が接近してくる音。

 レーダーの光点が反応する音。

 振り向き、剣を振るう音。

 金属がスパークを発する音。

 ぎぎぎ。ひしゃげる音。

 銃器で敵機を殴る音。

 砕ける銃器の音。

 敵機がその場に崩れ落ちる音。

 そこに剣を突き刺す音。

「まだ二機だけだよ。そっちはどう?」

 こちらに向けて声を発する真緒。

「まあ、わたしもまだまだだね。一緒にこの戦線をクリアしよう」

 芯の通った声。

 操縦桿を倒す音。

 バーニアが推進力を生む音。

 砂埃が舞い、地面から発着する音。

 機械がこすれる音。

 高く飛んだ飛行機の上に乗る音。

 アンカーが食い込む音。

「このまま敵本部へ向かう」

 真緒は明瞭とした声を上げる。

 地上からの砲撃音。

 回避行動をとるため、推進剤が爆発する音。

 制御系に異常を知らせる通知が来る音。

 ビームに焼かれる飛行機。

 真緒は機体を飛行機から離し、誘爆を防ぐ。

 飛行機が爆炎に包まれる音。

 間一髪で逃げ出した真緒は、機体を地上に降ろす。

 風切り音。

 降下していき、機体を地面に降ろす。金属と地面がぶつかる音。

 真っ直ぐにやってきた機体とぶつかり合う音。

「向こうも接近タイプかー!」

 俺は援護射撃を行う。

 銃弾が飛び交う音。

 空薬莢が地面に跳ねる音。

 爆発音。

 砂埃が舞う音。

 警告音。

 機体をひねり、蹴り揚げる真緒。金属同士が激しくぶつかりあう音。

 バランスを崩す敵機。そこに銃弾を撃ち放つ。

 金属音。銃声。爆発。

「マズいわね。相手のいいように動いている」

 真緒が真剣な眼差しで向こう側を見つめる。

 敵基地までもう少し。

 だが、敵の猛攻は止まらない。

「誘い込まれた。油断した。前戦での敵機の数が少ないことに疑問を覚えるべきだった」

 奴らは本来守るための基地をあえて囮に使ったのだ。

 艦隊防御ラインを大幅に引き下げる形になるが、迎え撃つ体勢を整えることで、こちらの気勢をそぐ目的もある。

 もちろんこちらを迎え撃つ準備も万端だ。

「こちらも陣形を立て直す。展開していた機は座標LK10まで後退」

 信号弾を放つ音。

 煙幕を発射する。

 真緒はバーニアを吹かし、後方に下がる。

 味方機と接触すると作戦を立て直す。

 押していた前戦が徐々に追い込まれていく。

 後方にいる前戦基地の味方機がすでに二割の損耗を出している。

 コクピット内の自立制御システムが「我が軍、不利」の表示を点滅させている。

 基地に向けて斥候部隊を出したのか?

 いや、この反応は……。

 真緒は思案し、友軍に命令を出す。

「A1からB9まで基地の護衛に回す。エース機であるあなたとわたし、それからC班は特攻をかける」

 真緒は決心をした声を上げる。

 機体が散り散りになる。エンジンの起動音。

 前戦司令部の応答がない。通信装置の異常を告げる音。

「マズいわね。こちらの戦力がそがれている」

 これを覆す術は真緒にはない。

「お願い。あなただけが頼りなの」

 こちらに向けて、しおらしい声を上げる真緒。

 承諾する。

「わたしも一緒に戦うわ。お願い」

 ひどく弱った声を上げる真緒。

 だが迷いはない。

「いくよ。切り込んでやろうじゃないの」

 こっちが承諾したお陰か、やる気に満ちている声を上げる真緒。

 エンジンを起動させ、推進剤を燃やす音がする。

 機体が悲鳴を上げ、コクピット内温度が上昇する。

 コクピット内に警告音が鳴り響く。

 いくつものロックオンされた音が響く。

 機体を流し、銃弾をかわしていく。銃弾の音。

 ドン。長距離狙撃ライフルから発射される音。

 機体が外部からの音を拾う。

 真緒の機体の左腕に着弾。はじけ飛ぶ音。

 バチバチと爆ぜる音が鳴り響く。

 機体がそれる。

 砕けた音。

 落ちていく部品がならす音。

「くっ。油断した。援護にはいる。キミは行って」

 真緒はビームガンを構える音を立てて、前戦の、密集した陣形に向けてビーム砲を撃ち放つ。

 こちらは一気にバーニアを吹かし、敵前戦司令部の射程圏内を目指す。

「それでいいのよ。行きなさい!」

 真緒の励ましの声が遠のいていく。

 電波妨害装置が働き、真緒の声がだんだんかすれていく。

 ノイズ混じりの音声。

 銃弾が膝アーマーに着弾し、脱落していく。

 着弾を知らせる警告音。

 機体重量の変化で大幅に機体のバランスが崩れる。

 ロックオンされた時に聞こえる警告音。

 バズーカ砲を構える音。

 まだ射程距離圏内ではない。

 だが、撃ち放つバズーカ砲。

 発射された弾丸は弧を描き、敵基地に落下していく。

 炸薬が破裂する音。

 基地に火の手が上がる。

 燃える音。

 一部の敵機が基地のリペアに入る。

 二発目のバズーカ砲の発射。

 基地に再び火の手が上がる。

 三発。四発。五発。

 バズーカ砲を打ち終えると、パージし、サブマシンガンを構える。

 射程距離圏内に入ったことを知らせる電子音。

 がこん。弾丸を発射管に装填した音。

 ロックオンした電子音。

 ダダダ。銃弾を撃ち込む音。

 あちこちから上がる火の手。

 敵基地に甚大な被害。

 後方から迫る敵機、多数。それを知らせる警告音。

 振り向きもせずに引き金を引き絞る音。

 スモークディスチャージャーから発煙する音。

 チャフをまき散らしながら、前方に迫る。

 基地内部に潜入すれば、後方の敵機は接近戦に持ち込むしかない。

 弾丸を撃ちつくし、弾倉を装填する音。

 金属がこすれる音が響く。

 ダダダ。銃弾を撃ち込む音。

 腰にぶら下げたグレネードを放つ音。

 基地内部で破裂し、爆炎を上げる音。

 機体を操縦し、基地の内部に向かう。エンジン音。推進剤の燃える音。

 前方に敵機。警告音。

 機体をそらす。

 敵機の対戦剣がキラリと光る。

 重々しい音がなりひびき、こちらの機体のシールドを切り裂く。

 溶断され落ちていくシールド。落ちる音。地面にぶつかる音。

 前方にいる敵機のアイコンが点滅する電子音。

《ウルフ》

 AI処理した音声ガイドが流れてくる。

「負けないで!」

 後方から接近する真緒。

 その機体はほぼ素体の状態だ。

「二人でやっつけましょう!」

 心強い声を発する真緒。

 ウルフが肩口にある銃弾を放つ。

 空薬莢が地面に落ちる音。

 かわす真緒。

 強いと分かるほどの精密射撃。

 空気を裂く音。

 金属がひしゃげる音。

 弾丸を発射する音。

「くっ」

 小さくうめく真緒。

「まだまだ!」

 真緒はやる気充分だ。

 機体を前方に倒し、低姿勢で敵機・ウルフに肉迫する。

「もらった!」

 実体剣を抜き放つ真緒。


 ――銃撃音。

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