第三話 嫉妬と、嘘という鎖
年が明け、彼からの連絡が再開した。
音信不通で感じた不安と寂しさを正直に伝えた私に、彼は「心配かけてごめん。」とだけ答えた。
私は転職したばかりで、以前のように頻繁に電話ができないことを伝えると、彼は「応援する」と言った。私はその言葉を信じ、仕事に励んだ。
しかし、仕事を終えて連絡をすると、彼の態度は一変した。
「こんなに電話できないなんて聞いてない。電話できないのなら意味がない。」と罵倒される日々が始まった。
私がどれだけ努力しても、彼の話を聞けていない。上の空。空返事。と罵られる毎日。
私はただただ傷ついた。
そんな中、彼は私の過去に執拗な嫉妬を見せた。
過去にマッチングアプリで知り合った人とのやり取りを話すと、彼は激怒し、「LINEを作り直し、電話番号を変えなければ二度と連絡しない。」と強く言われた。
彼との関係を続けるために、私は彼の言葉に従った。
何度も別れ話を切り出されたが、そのたびに仲直りを繰り返した。
「どんなこともずっと一番でいたい。莉奈にずっと好きでいてもらいたい。大好き。電話も我慢して待つ。」
そう言ってくれる彼の言葉を、私は鵜呑みにしていた。だが、言葉とは裏腹に、「自分が今まで言った言葉に責任はないのか。」と言われ、また罵倒される毎日。
私は逆に自分の言動に責任を持たない彼に腹が立ったが、好きな気持ちはどうすることもできず、彼の心を繋ぎ止めるために必死だった。
一月末の少し落ち着いた頃。お揃いの指輪を買いに行く約束まで交わした。
しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。
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